ロッテ、楽天のファンに求められるのは「猫型」の気質なのだ

[ 2020年9月24日 09:00 ]

<ロ・日>背番号「106」のユニホームで新天地のマウンドに上がった沢村
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 【君島圭介のスポーツと人間】ことわざに「犬は人につき、猫は家につく」とある。ファンを動物に例えるのは失礼なことだが、ご容赦いただきたい。

 今年のロッテ、楽天ほど選手の出入りが多いチームも珍しい。そもそも昨オフにロッテから鈴木、酒居、涌井が楽天に移籍。楽天からは美馬、小野、ハーマン、西巻がロッテに移った。

 それだけでもファンは頭がこんがらがりそうなのに、ロッテはソフトバンクから福田秀、前阪神の鳥谷、巨人から沢村を獲得し、元中日のチェンまで支配下に入れた。楽天も巨人から池田駿、高田を獲得、広島からDJ・ジョンソンの電撃移籍にも成功した。

 ロッテは入団会見をした日、ユニホームも仕上がっていない沢村をマウンドに上げ、楽天も入団発表翌日にジョンソンを起用した。メジャーではトレードされた選手が、その場でユニホームを着替えてプレーするのも珍しくない。ロッテは井口監督、楽天は石井GMとメジャー経験者がトップにいるだけに、ドラスティックなチーム改革もメジャー流に映る。

 移籍の活性化は球界の質を上げるだろう。選手は活躍の場を与えられ、チーム力も強化されるならwinwinだし、刺激的だ。

 ただ、寂しい面もある。情報社会のスピードに乗り遅れると「あれ?どうしてあの選手が…」となってしまう。入団時から気になり、初勝利、初安打に喜び、春季キャンプで泥だらけになる姿でその年の活躍を期待し、応援し続ける楽しみも移籍で途切れるかもしれない。

 「犬は人につく」という。犬は仲間意識や主従本能が強い。一方で「猫は家につく」のは縄張り意識の現れだといわれる。重ね重ね動物に例えて申し訳ないが、今年のロッテ、楽天のファンには、選手ではなく球団そのものを支持する「猫型」の気質が求められている。

 欧州のサッカーファンは試合のない平日はバーやパブでビールを飲みながら「移籍市場」を予想して楽しむという。「長嶋や王がいるから巨人ファン」といった日本のプロ野球的「犬型」の感覚は特殊だし、もう古いのかもしれない。考えてみれば「生涯」契約などプロの世界には相応しくない。

 私自身、「犬型」のファンだった。走攻守が揃った左投げ左打ちの名外野手である島田誠さんに憧れ、日本ハムのファンになった。その島田さんがダイエーに移籍し、あんなに好きだったチームに対する興味も薄らいだ。つまりはプロ野球を長く楽しむなら「猫型」がいい、ということだ。(専門委員)

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