【球場ルポ】肌で感じたマリンの熱い一体感 球音楽しむ「原点」戻った

[ 2020年7月11日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ6―7西武 ( 2020年7月10日    ZOZOマリン )

<ロ・西>観客の入ったZOZOマリンスタジアム(撮影・沢田 明徳)
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 ついに、スタジアムにファンが帰ってきた。応援スタイルは大きく変わったが、選手への熱い思いはまるで変わらない。ロッテ―西武戦が行われたZOZOマリン。スポニチの鈴木勝巳記者(50)も、そんなファンと選手の熱意を肌で感じた。

 ここ数日の強風がうそのようだ。東京湾から吹く風が頬に優しい。試合前、ファンに話を聞いた。「マリンの風って独特ですよね。空気感を味わいたくて来ました」と千葉市在住の大久保学さん(51)。ライブならではの臨場感。誰もがその雰囲気を楽しんだ。

 試合開始直前。マリン名物の場内アナウンス担当・谷保恵美さんが「ご来場のファンの皆さま、ZOZOマリンスタジアムにお帰りなさい!」と呼び掛けた。大きな拍手。ファンの喜びが伝わる。西武・山川、ロッテ・井上が本塁打を打つと、待ってましたとばかりにパフォーマンスに大歓声が湧く。この一体感。ライブの醍醐味(だいごみ)が球界に帰ってきた。

 ZOZOマリンの客席にファンが入って試合を行うのは、昨年9月24日のシーズン最終戦以来290日ぶり。鳴り物はない。ファンは投手の一球一球に息をのみ、打球の行方はため息と歓声を生んだ。純粋に球音を楽しむ。コロナ禍によって制限された応援スタイルは、逆に野球の「原点」とも言える状況を生み出した。

 上限5000人でチケットは12日まで完売。この日の観客は4891人だった。「選手には気持ちと念を一生懸命送りました」と千葉市在住の古屋田友樹さん(40)。熱い思いは必ず伝わる。誰かを応援する――。その行為は人の営みに絶対に欠かせない。

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2020年7月11日のニュース