ロッテ7連勝!ドラ2・佐藤都志也 プロ初安打が「人生初」サヨナラ打 10回代打で決めた!

[ 2020年6月28日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ2―1オリックス ( 2020年6月27日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>10回裏、サヨナラ打を放った佐藤(撮影・長久保 豊)
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 ロッテのドラフト2位、佐藤都志也捕手(22=東洋大)が27日のオリックス戦の10回、右越えへサヨナラ安打を放った。プロ2打席目での初安打が人生初という劇打となった。新人のプロ初安打がサヨナラ打となったのは、球団では02年の喜多隆志以来、3人目。接戦を制したチームは4年ぶりの7連勝を飾り、首位をキープした。 

 打球が右中間を破った瞬間、佐藤は右拳を突き上げた。「サヨナラ打は野球人生で初めて。どう喜んでいいか分からなかった」。一塁を踏んで両手を広げると、後は歓喜の輪の中でもみくちゃだ。

 1―1の延長10回2死一、二塁で代打として迎えたプロ2打席目。チームは9回無死満塁の好機を逸していた。今季の新規定での引き分け寸前。先輩捕手の田村から「(おいしいところ)持ってけ、この野郎!」と励まされ、重圧から解放された。その初球、沢田の127キロのチェンジアップを見事に捉えた。

 25日の同戦で迎えたプロ初打席は沢田に中飛に打ち取られた。「同じ相手に2度抑えられたらいけない」と、昨年の日米大学野球でJAPANの4番を張った意地で最高のプロ初安打を放った。

 福島・聖光学院で2度甲子園に出場し、3年時にプロ志望届を提出したが指名なし。悔しくて寮に帰るとすぐに素振りした。東洋大では2年春に一塁手として首位打者とベストナインを獲得したが、巨人・阿部慎之助のような「打てる捕手」への憧れを捨て切れなかった。3年時に捕手出身の杉本泰彦氏が監督就任すると、プロ入りを視野に捕手専念を直訴した。

 「打てる捕手をセールスポイントにしたい」。この日の1本が夢への第一歩となった。記念球は「お母さんに届けたい」と明かした。小学生の頃、多忙な父に代わりキャッチボールの相手を務めてくれた母・まり子さんへの感謝の証だ。

 野球漫画「MAJOR」の人気キャラクター・佐藤寿也と字は違うが同じ名前。ポジションも同じ捕手で強打を誇る。「子供のころからいじられ続けたので慣れた」と笑う。寿也はプロ入り1年目に新人王に輝いた。都志也が狙うのも同じタイトルだ。

 16年6月18日以来となる7連勝で首位を堅守した井口監督も、「頼もしい新人が入った。若い選手がチームを底上げしてくれている」と称えた。中学の卒業文集に「1億円プレーヤー」と目標を書き込んだルーキーは、「数少ない打席を大事に生かしたい」と、もう一度笑った。(君島 圭介)

 ≪ロッテ 同一カード5連戦5連勝は64年ぶり≫ロッテがオリックスに5連戦で5連勝。52年のフランチャイズ制以降、同一カード5連戦5連勝(同一球場に限る)は76年の阪急以来6ケース目。チームでは毎日時代の56年以来64年ぶり。ダブルヘッダーを含まずに5日間で5連勝は今回が初めてだ。なお、同一カード6連戦6連勝は過去にないがロッテは28日も勝つか。

 《新人でプロ初安打がサヨナラ安打はロッテでは02年喜多以来》ルーキーの佐藤(ロ)がサヨナラ安打。新人のサヨナラ安打は昨年8月12日オリックス戦の渡辺佳(楽)以来で、ロッテでは02年5月1日ダイエー戦、同月3日西武戦と喜多が2試合連続でマークして以来18年ぶりになる。また、佐藤はプロ2打席目の初安打がサヨナラ安打。新人でプロ初安打がサヨナラ安打は14年6月21日西武戦で嶺井(D)がプロ2打席目に三塁打して以来。チームでは88年8月31日南海戦で山下が2打席目、前記喜多が5月1日ダイエー戦でプロ5打席目に記録して以来3人目。

 ▼佐藤都志也

 ☆生まれ&サイズ 1998年(平10)1月27日生まれ、福島県出身の22歳。1メートル81、83キロ。右投げ左打ち。

 ☆球歴 小5でソフトボールを始めた。聖光学院では2年夏と3年夏に甲子園出場。プロ志望届を提出したが指名球団はなく、東洋大に進学。東都大学リーグで捕手、一塁手として計4度のベストナイン。主将も務め、3、4年時には大学日本代表選出。

 ☆憧れの選手 1人目は今年2月に亡くなった野村克也氏。「野村ノート」や「リーダー論」など高校時代に著書を熟読。「野村監督みたいになれるように」。2人目は西武の栗山。2月に西武との練習試合で初対面し、サプライズでバットをもらって大感激。

 ☆趣味 料理が得意で、大学時代は寮の食事がない時に「煮込みハンバーグ」を作ったことも。釣りも好き。

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2020年6月28日のニュース