新井貴浩氏 阪神助っ人陣の“つながり”浮上のきっかけに 植田の攻めの盗塁は見事

[ 2020年6月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8-6DeNA ( 2020年6月27日    横浜 )

新井貴浩氏
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 【新井貴浩 視点】攻めの姿勢が最後で阪神の逆転を生んだ。9回2死。代走で出た一塁走者の植田が間一髪のタイミングをかいくぐって二盗に成功。山崎がけん制を投げるのは見たことがない。しかも、2度も続けて。その直後に決めた。

 走ってほしい…というベンチの思いに応え、思い切っていった。アウトになっていれば試合終了。なかなかできる盗塁ではない。二塁へ進んだことで山崎に重圧をかけ、大山の四球、サンズの本塁打につながった。振り返れば、岩貞を4回で降ろし、劣勢の7回にスアレスを投入。絶対に連敗を止める、という采配だった。

 低調だった打線にも浮上の兆しが見えた。特にボーアは左方向へ2安打。一、二塁側へ引っかけるゴロが多かった外角球を逆らわずに打った。もともと広角に打てる打者だと見ていた。8回の左翼フェンス直撃の一打のように打球も上がるようになってきた。この打撃を続けていけば、状態は上向くはずだ。

 初回の好機ではマルテが追い込まれてから必死に逆方向への右犠飛を放ち、先制点を奪った。最低限どころか、4番として最高の仕事だった。あの犠飛があったからボーアは楽な気持ちで打席に立ち、初の適時打が生まれた。開幕してから初めて見えた打線の“つながり”だった。

 初出場のサンズもいいスタートになった。外国人打者の相乗効果が期待できそうだ。矢野監督も当然、ある程度固定して戦っていきたいと思っているはず。試行錯誤してきた中、この試合が一つのきっかけになるかもしれない。

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2020年6月28日のニュース