明秀学園日立・金沢成奉監督から感じた「言葉の力」

[ 2020年5月28日 13:35 ]

明秀学園日立・金沢成奉監督
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 全国高校野球選手権大会と出場権を懸けた地方大会が中止となり、各地で代替大会の開催が続々と決まっている。26日には茨城県高野連も代替大会の開催を発表。その際、電話取材に応じて頂いたある監督の「言葉の力」を感じた。

 「勝ちにこだわってみんなで戦う。本当の意味での勝利。真の勝利はまさにここにある」

 新型コロナウイルスが蔓延する中、日本中に語りかけるような言葉の主は茨城・明秀学園日立を率いる金沢成奉監督だ。かつて青森・光星学院(現八戸学院光星)を春夏計8度の甲子園出場に導き、当時はヤンチャだった坂本(巨人)を育て上げた名将。退任後は、12年9月に明秀学園日立の監督に就任。18年春には同校初のセンバツ出場に導き、今夏は8度目の挑戦で悲願の夏の甲子園初出場を目指すはずだった。

 「センバツが中止になり、夏もダメかもしれない」とある程度の予測はしていた金沢監督。その中で選手たちには「これから長い人生を生きていく中で様々な局面にぶつかる。常にそういう場面においては、最悪のことを考えながら準備をしなければいけない。前向きにコツコツとやることが大事なんだ」と声を掛けていたという。

 今月20日、選手権大会の中止が正式に決まり、選手たちと向き合った。監督の声に、うなずく選手もいれば、心の整理がつかず、呆然とする選手もいたという。それでも3年生31人と面談をする中で、「監督とともに最後まで高校野球をやりきりたいといってくれる子がほとんどでした」と語った。

 7月11日に地区大会が開幕する。明秀学園日立は2年生に主軸投手を抱えるが、最上級生だけで戦うことを決断した。「今回においては3年生だけで戦い抜きたい。3年生もそうしたいと言っていた。高校野球は常に勝つことを目指す中で得るものがある。負けていい試合はない」。大会を勝ち抜いても憧れの甲子園の土を踏むことができない残酷な夏。それでも全国4000を超えるチームにはそれぞれの“終幕”がある。特別な夏を目に焼き付けたい。(記者コラム・花里雄太)

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