障害予防、イエローカード制度…中学硬式野球ポニーリーグの先進的な取り組み

[ 2020年5月14日 05:30 ]

 選手の障害予防をはじめとした先進的な取り組みを進める中学野球リーグがある。硬式野球のポニーリーグは、昨年10月に学年ごとの投球数制限の導入、反発性能の低い国際基準のバットを1年生大会で使用するなどの取り組みをまとめた「SUPER PONY ACTION 2020」を発表。選手の健康、育成に主眼を置く理念は全国の指導者や保護者から賛同を得て、登録チーム数は2018年度末の119から、19年度末には142チームまで増えた。

 日本高野連が、今年春からの投球数制限実施を決めたのは昨年11月のこと。ポニーリーグはそれに先駆け、1年生60球(変化球禁止)、2年生75球、3年生85球と、成長に応じた投球数制限を決定した。

 同リーグの那須勇元事務総長は「選手の体を守ることが大前提」と、成長途上の選手たちの肩、ひじの障害を予防することに加え、「無限の可能性を持った中学生世代なので、1人でも多くの選手が試合に出られるようにしたい。野球は、試合に出て覚えてもらいたいので」と、多くの選手の出場機会を確保することの重要性を強調した。

 投球数制限にとどまらず、投手の負担軽減や危険回避などの観点から、反発性能が低い国際基準のバットを1年生の大会で導入する。同事務総長は「しっかりとしたストレートを投げたら打ち取れるということを学んでもらえれば」と、変化球の投球を禁止している1年生投手を育成する効果にも期待を込める。現在、高校野球でも反発性能の低いバットの導入が検討されており、日本高野連の判断に応じ、2、3年生の大会でも利用拡大する準備を進めている。

 また、選手たちがよりプレーを楽しめるよう、怒声、罵声による指導、応援に「イエローカード」を発行する制度も創設した。指導者を罰するための制度ではないため、レッドカードや罰則などはない。「イエローカード」の適用はすべて、協会本部に報告され、それぞれのケースを検証し、より明確なルール作りを目指していくつもりだ。

 保護者の負担軽減にも積極的に取り組んでいる。これまでは、投手の投球数確認などに選手の家族らの手助けを必要としたが、スコア、成績を管理するアプリを導入し、協会本部や連盟組織内の公式記録部員が入力作業を担うことで、指導者や、試合を観戦できない保護者も即時に試合経過を共有できるようになった。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、現在は活動停止を余儀なくされているが、リーグのSNSには自宅でできるトレーニングやストレッチ、障害予防についての講義などの動画を次々に投稿。OBの日本ハム・栗山英樹監督からの激励メッセージや、一岡竜司投手(広島)、宮城大弥投手(オリックス)らのトレーニング動画も寄せられた。

 那須事務総長は「社会人として、世の中のルールを守った行動を心がけることが大事」と、選手たちが社会の決めごとを守りながら、自宅練習などで力を蓄えることを期待している。

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