東尾修氏 「6・19開幕案」投手の立場で言えば…“開幕100%”は難しい

[ 2020年5月11日 07:30 ]

東尾修氏
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 最短で6月19日の開幕を目指しているプロ野球に、セ・パ各リーグの地域集中開催案が浮上していることが10日、分かった。11日の12球団代表者会議で議論される可能性がある。セは首都圏、パは関西圏を拠点とすることが有力視される。長距離移動を伴って転戦するよりも、感染リスクを大幅に減らせる利点がある。開幕時期とともに、開催案についても12球団の判断が注目される。

【東尾修氏が見る「6・19」への課題】

 6月19日に開幕目標が設定された場合、選手に残される調整期間は40日弱となる。いくら自主練習を積んでいるとはいえ、当初の開幕だった3月20日から50日が経過。コンディションが1月の自主トレ期間と同等のレベルの選手もいる。

 さらに、楽天が5月8日から球場開放して自主練習を再開したように、球団間でも練習環境に差がある。緊急事態宣言の解除も自治体ごとに段階的に行われるとみられ、全体練習再開時期も各球団判断となる。公平性の担保のために練習試合の試合数は均等に組まれることが大前提だ。

 投手の立場から言えば、開幕に100%の状態は難しい。暑くなった6月開幕で真剣勝負の中で体は勝手に動く。試合数も減って開幕ダッシュが求められるが、首脳陣は先発投手に対し「5回80球」など球数を管理しながら戦うなど、配慮も求められる。

 プロの興行である以上、あらゆる手段を練って一日も早い開催へ準備することは悪いことではない。ただ、自治体、何よりファン、国民の方々の理解を得なければならない。(本紙評論家)

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