広島・龍馬 仕切り直しキャンプイン 逆算して「自分の形をバチッと決めて」

[ 2020年5月11日 05:30 ]

広島・西川
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 改めて“キャンプイン”だ。広島・西川龍馬内野手(25)が10日、B班野手の分離練習に参加。キャンプ初日さながらに、逆方向を意識してフリー打撃に汗を流し、マシンが放つ速球を目で追った。最短開幕候補に挙がる6月19日に「合わせ、逆算して」取り入れたメニュー。延期期間中でも体重や筋肉量は増えており、高い意識がキラリと光る。

 降雨のため屋内練習場でメニューを消化した野手陣。西川のそれは、まるでキャンプ初日を思わせるものだった。「下半身を意識して」ティー打撃に励むと、マシンが繰り出す140キロ超の速球で目慣らしする。打撃練習では徹底して中から逆方向へ打ち返した。

 「6月19日に合わそうと思って。大まかですが、逆算するとキャンプインしたぐらい。今日からある程度、自分の形をバチッと決めてやろうかな…と」

 最初から引っ張りにいくと「クセになる」ことから、体を開かないよう意識して逆方向へ打ち返す。それが西川の、キャンプ初日のルーティンだ。最短開幕候補日に挙がる6月19日まで残り約40日。3月20日に向け、2月1日から積み重ねた練習に再び着手した。

 4月19日に始まった1勤1休で2時間の時短練習。それでも体重や筋肉量は増加した。「次はチンジャオロースかな」と話すほど、自作料理のレパートリーは増え、限られた練習時間の中でウエートトレーニングに励む。結果、77~78キロだった体重は79キロになった。

 「79キロも未知ですけど、もう少し頑張れば(目標の)80キロ。運動量が減っても、ご飯をちゃんと食べてプロテインを飲んでおけば」

 試行錯誤による気付きもあった。「新たな発見がある」として右打ちを取り入れたり、タイミングの取り方やバット、手首の角度を変えるなど「遊び心」を持って取り組む打撃練習。いきおい、自分の形に固執する考えに変化が生まれた。

 「今までは嫌だったけど、(状態が)悪くなったら一つの形にこだわらず、変えてみるのもいいかな…と。この期間に試せたから」

 さまざまなプラスを生んだ延期期間。高い意識がキラリと光る。「開幕までに、できれば10試合はほしい。紅白でもいい。ガチンコの投手の球で(打席に)立ってみないと」。おぼろげに見える開幕に向け、西川の時計は既に動き始めている。
(江尾 卓也)

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2020年5月11日のニュース