広島・上本 打撃改革で大変身!「恥ずかしがらずに遠慮せず聞く」誠也&会沢の助言を胸に

[ 2020年5月6日 05:30 ]

打撃練習を終えて引き上げる上本
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 広島・上本崇司内野手(29)が5日、マツダスタジアムで野手の分離練習に参加し、強いスイングを繰り返した。今春の対外11試合で打率・625をマークした貴重なバイプレーヤー。課題だった打撃開眼の裏には、看板選手たちの助言と自己改革があった。8年目に訪れた転機。もう守備・走塁だけの選手とは言わせない――。

 公称1メートル70、71キロ。決して大きくない身体で懸命にバットを振った。快晴に恵まれた本拠地での打撃練習。上本のスイングは、同組の鈴木誠に負けない気迫に満ちていた。「練習から強く振らないとダメ」。語調もいつになく力強かった。

 今春の活躍ぶりが記憶に新しい。オープン戦の出場8試合で4打数3安打2打点、4四死球。練習試合を含めても11試合で8打数5安打7打点、打率・625と打ちまくり、2月16日の中日戦では途中出場で左越え3ランを放ってみせた。

 プロ7年間で0本塁打、放った安打9本の伏兵が遂げた大変身。一体何があったのか。

 「遠慮せず聞くように心掛けています。カープには好打者がたくさん居るのに、聞かないのはもったいない。恥ずかしがらずに」

 言わずと知れたチームのムードメーカー。明るく社交的に見えるが、思慮深く遠慮がちな一面を持つ。年齢も邪魔をしていた。「でも、それは違うな…と思って」一念発起。ドラフト同期ながら4歳年下の4番打者に思い切って頭を下げた。

 「相手投手への入り方、球質、狙い球、配球、方向性とか。たくさん投手を見て来ているので、いろいろ教えてもらっています」

 会沢の助言も胸に刻む。打ちにいく際、バットが遠回りして出て来ない悩みを抱いていた昨秋、打撃練習中に「(バットを)引きすぎじゃないの?」と指摘された。そこでトップの位置を修正。今春の活躍につなげた。

 目下のテーマも明確だ。1勤1休の時短練習という制約の中、体をケアし、合同自主トレ期間中のような打撃に戻す――。オフに体を鍛え、疲れもないキャンプ前の状態が最も良いからで「それも誠也に」とはにかんだ。

 「正直、不安しかないです。でも打席に立って、どれぐらいできるのか…という気持ちもある。打席に立たせてもらったので」

 守備固めや代走で貢献してきた努力家。器のサイズを決めつけるのは、まだ早い。(江尾 卓也)

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2020年5月6日のニュース