中畑氏 オフの過ごし方で大きな差がつく 自覚をもって有意義な自主トレ期間に!

[ 2020年1月14日 08:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】連日届くプロ野球の自主トレ情報。いい形になってると思うよ。トレーニングコーチが指導できる新人合同自主トレ以外は、文字通り選手が自主的に体を動かし、キャンプインに備えている。

 かつては1月中旬ともなれば「合同自主トレ」という名の強制的な練習が待っていた。

 野球協約には「参稼報酬の対象となる期間は、毎年2月1日から11月30日の10か月とする」(原文のまま)とある。

 12月1日から1月31日はオフシーズンなのに、監督・コーチの指示で行われる事実上のキャンプ。オフまで球団に管理されるのはおかしい。1985年に労働組合・日本プロ野球選手会を立ち上げ、初代委員長を仰せつかった私が最初に勝ち取ったのが「ポストシーズンの順守」だった。

 コーチをやっている先輩から「えらいルールをつくってくれたのお。若手は鍛えなきゃいけないんじゃ!」と文句言われたけど、突っぱねたよ。

 若い選手こそ、生き残るために何が必要かを自分で考えさせることが大事。自覚を持って課題に取り組むか、遊びほうけるか。オフの過ごし方で大きな差がつく。それがプロの世界だ。

 ポストシーズンの順守を勝ち取ってすぐの89年1月。私は巨人のチームメートと山梨県の河口湖でヨガを入れたトレーニングをした。それ以前には静岡県の浜松で水泳を取り入れたこともある。

 今は大リーガーも汗を流す海外のジムに行ったり、個人トレーナーを帯同したり当時とやり方はずいぶん変わってる。

 広島の鈴木誠也は去年までのソフトバンク・内川との合同自主トレを卒業し、宮崎県の串間でチームメートの野間、曽根、永井と一緒にやってるんだってね。

 最近は侍ジャパンで仲良くなったりして他球団の選手と合同でやるケースが少なくない。シーズンでは個人対個人、チーム対チームで対決する相手。得るものはあると思うけど、大っぴらにはやってほしくないというのが本音だね。

 その点、誠也はチームだけじゃなく、球界を引っ張るんだという自覚を感じさせてくれる。五輪イヤー。侍ジャパンの4番から目が離せない。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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