阪神・矢野監督「星野さん見守って」 恩師の命日前に「優勝」誓う

[ 2020年1月4日 05:30 ]

03年6月17日、サヨナラ三塁打を放った矢野(右)を笑顔位で迎える星野監督
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 阪神の矢野燿大監督(51)は3日、2018年1月4日に70歳で死去した星野仙一氏の命日を前に、恩師に思いをはせるとともに2020年シーズンにかける意気込みを語った。

 「星野さんの勝利への情熱にファンも燃えていた。そのハートについていきたい。引っ張っていく力は半端なかったし、同じことはできない。オレはオレのやり方になるけれど、ファンの人に喜んでもらう、ハートで野球をやるのは一緒。“楽天と阪神で日本シリーズを”とおっしゃっていたけど、実現できるように頑張りたい。今年は勝つ、と決めているのでね」

 闘将とまで形容された恩師に対し、就任1年目の昨季は矢野ガッツに象徴される「楽しむ」を前面に押し出した。相反するようにも見えるが、根底にあるのは星野イズムに他ならない。目の前の1球に対する執念。そして、勝利への執着心。その全ては恩師と同じく、ファンを喜ばせるためにある。表現の違いはあっても中日、阪神で受けた教えを、片時も忘れたことない。

 「しんどいこともたくさんあったし、結果に左右される自分もいた。ドラフト、キャンプインでは形見のネクタイをつけさせてもらった。(傍らに)ついていてほしいとか、頼っている自分がいた。(墓前では)報告もあったし、見守ってください、ということかな」

 指揮官にとって星野氏は今も頼れる存在であり続ける。遠征の際には墓前で手を合わせたこともあった。昨春キャンプイン前日の移動日や昨秋のドラフト会議では形見分けで譲り受けたネクタイを着用。見えない力をもらっていたという。

 「一人一人、根本には気合と根性というのがあるんだけど、やってもうまくいかないことが多いからこそ、楽しむというか。楽しめたら体も動くし、気持ちも前向きになる。選手、ファン、スタッフ、子どもたちの笑顔を求めていきたいし、ただ勝つだけでは面白くない。野球界全体を変えるつもりで」

 ぶれない心もまた、恩師のスタイルを踏襲する。笑顔であふれた矢野阪神が優勝することで、まだまだ閉鎖的な野球界全体を変えてみせる。(森田 尚忠)

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