元阪神・ジョンソンの“魔球”はメジャーで通じるか

[ 2020年1月4日 09:00 ]

元阪神・ジョンソン
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 「PJ」の二文字は昨年、阪神タイガース勝利の合言葉になっていた。開幕からセットアッパーを担い、幾度もチームの窮地を救ってきたピアース・ジョンソン投手(28)が、サンティアゴ・パドレスと2年契約で合意に達し、退団することが決まった。

 来日前は、マイナーでも四球を連発するなど“球は速いがノーコン”の典型。実際に本人も「四球で崩れた試合が何回もあるよ。中継ぎは、1試合悪かったら、それだけで悪いイメージを持たれる」と制球難が足かせとなっていた過去を苦々しく振り返っていた。

 ところが、新天地では“別人”に変ぼうを遂げた。「四球を出して走者を出すなら(カウントが)早い段階でヒットを打たれた方が、切り替えもできるからね」。日本のマウンドでは思考を一変させ、常にストライク先行の投球を心がけることで制球は安定し「8回の男」に定着すると、58試合登板で防御率1・38と驚異的な数字をマークして見せた。

 改善したコントロールとともに代名詞となったのは高速カーブ。スライダーのように鋭く曲がり落ち、途中まで直球と見分けがつかない。カーブの域を超えた“魔球”と化し、無敵の状態だった。それを証明するように某テレビ番組の現役選手が選ぶ「変化球No・1」にも選出。直球とほぼ2球種のみで最後までシーズンを戦い抜いたことは、脅威としか言いようがない。

 そのままメジャーで通用するのかと言われれば、即答はできないが、日本で確立した投球スタイルや、1年間投げ続けるために球団トレーナーと二人三脚で身に付けた体のケアのルーティンなど、進化した部分も少なくない。昨季、PJが言っていた言葉が今になって印象的だ。「自分のカーブは縦に割れるよりスラーブの要素が強いので米国でも投げる投手は少ない」。

 入団するパドレスは昨季、メジャー屈指の内野手であるマチャドが加入し将来、3冠も狙える逸材のタティスJr.など将来有望な若手が多く、今季もポストシーズン進出の可能性は十分にある。激しい競争にさらされるだけでなく、個性豊かなチームの中で「PJカーブ」という唯一無二の武器を手にしたジョンソンが、どんな姿でメジャーにカムバックを果たすのか。不動のセットアッパーの退団に落胆した虎党もメジャーで躍動する元助っ人を見れば溜飲を下げるはず。かくいう僕も1年間、間近で取材してきた身として海の向こうからの朗報を楽しみに待つことにする。(記者コラム・遠藤 礼)

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