阪神育成1位・小野寺、母へ“ダンディー親孝行”だ「ずっと2人で過ごしてきた。恩返ししたい」

[ 2019年11月25日 05:30 ]

仮契約を終え、気合の入った表情を見せる小野寺(撮影・大森 寛明)
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 阪神から育成ドラフト1位で指名された小野寺暖外野手(21=大商大)が24日、大阪市内のホテルで支度金200万円、年俸300万円で仮契約を結んだ。大学時代は4番を主に不動の中軸。プロでも頼れる男として君臨し、支えてくれた母への“ダンディー親孝行”を力強く宣言した。

 「一番大事な場面で、チャンスに強い、チームを勝たせるバッターになりたい」

 新人、育成という立場を感じさせないほど自信に満ちあふれていた。プロでの未来を想像しても「4番」の座が揺らぐことはなかった。「打たないといけないじゃなく、チャンスが好きで回してくれと思っていた」。重圧を力に変えられるメンタルが頼もしい。

 「緊張はしないけど倒れるぐらいまで気が入り過ぎる」と自己分析する“熱男”は「(プロでは)ちょっと抑えないと」と少しだけ冷静になって前を向いた。育成選手からはい上がり、チームの主力になった先に成し遂げたい夢がある。

 「母とずっと2人で過ごしてきて、毎朝起こしてくれて、弁当を作ってくれた。何も言わずにやってくれた。自分も何も言わずに恩返しがしたい」。母子家庭で一人前に育ててくれた母・由子さんに「田舎でゆっくり過ごしたいと言っていたので、田舎でゆっくり過ごさせてあげたい」と黙って家をプレゼントする“ダンディーな”恩返しを誓った。

 「一日でも早く支配下(登録)されるよう頑張って、甲子園で自分のホームランを見せられるようにしたい」。チームを救い、母を喜ばせる。聖地で掲げるアーチが、最高の自己表現になる。(遠藤 礼)

◆小野寺 暖(おのでら・だん)1998年(平10)3月17日生まれ、奈良県出身の21歳。在京小2年時から硬式の奈良リトルで野球を始め、平城東中では南都ボーイズに所属。京都翔英では甲子園出場なし。大商大では2年秋からリーグ戦に出場して3年春、4年春の2度MVP。50メートル走6秒2、遠投110メートル。1メートル83、82キロ。右投げ右打ち。

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2019年11月25日のニュース