阪神・青柳 マサの“進言”で登板回避

[ 2019年11月4日 12:51 ]

<阪神秋季キャンプ>山本昌臨時コーチの指導を受ける青柳(撮影・大森 寛明)
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 阪神の秋季キャンプの話題をさらっているのが、臨時投手コーチを務める元・中日の山本昌氏だ。スケジュールの関係もあって、高知と仕事先を往復するスケジュールでまだ2日間だけの指導にはなっているが、投手陣への波及効果は絶大。象徴的だったのは、レジェンド不在だった第1クール3日目で、全体練習の時間内にブルペンに姿を見せた投手は1人もいなかった。

 ブルペン入りは、基本的に選手個々の判断。前日まで連投していた選手もいたため、偶然の要素も重なった部分もあるものの、キャンプ前に山本昌氏を“質問攻め”することを宣言していた育成左腕の横山は「昌さんが来られる明日(3日)ブルペンに入った方が、質問もできるし、自分にとっては絶対にプラスになる」とはっきりと言っていた。

 果たして、翌3日の安芸のブルペンは大盛況。17日中14人が腕を振り、山本昌氏も1人、1人に時間を設けて助言を授けていた。一方で、姿が見えなかったのが、青柳。この日も合わせて2日連続で投球練習を行わなかったため、本人に話を聞くと「ここが…」と肘を痛めたような仕草で冗談を言った後に真相を明かしてくれた。

 「昌さんに“無理してブルペンに入るなよ。シーズンも規定投げてるんだから”と言われて…。僕はもちろん入るつもりでいたんですけど、キャッチボール中から言われていたのでやめました」。

 右腕は今季、開幕からローテーションを守って自己最多9勝、キャリア初の規定投球回に到達した。“見てもらいたい”“教えてほしい”という選手の前のめりな気持ちをなだめ、シーズンで蓄積した疲労も考慮。これも同氏なりの“指導”だったように見えた。

 青柳は続けた。「“キャッチボールはしっかりしてな”と言われたので。キャンプではより丁寧にやっていきたいですね」。選手個々に合わせた視点と助言で成長と進化を促す山本昌氏と若虎が起こす“化学反応”はまだまだ起こりそうだ。(遠藤 礼)

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2019年11月4日のニュース