広島 野村 FA権行使せず残留の意思表明「このチームでもう一度優勝、日本一になりたい」

[ 2019年10月27日 05:30 ]

FA権を行使せず、残留を表明した広島・野村
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 広島・野村祐輔投手(30)が26日、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、残留する意思を表明した。2年総額3億円(金額は推定)の提示に大筋で合意した。

 約2時間に及んだ前日25日の第3回交渉。権利行使について問われた野村は「悩みました」と過去形で表現した。その時点で、意思はほぼ固まっていたのだろう。1夜明けで開いた会見は、すっきりした表情だった。

 「カープが好き。このチームでもう一度優勝したいし、日本一になりたい。その思いで最後は決断しました」

 今季は先発18試合で6勝5敗、防御率4・06にとどまったが、16年には25年ぶりのリーグ優勝に貢献する最多勝、勝率第1位の2冠。そんな右腕に、球団は練習の合間にも積極的に声を掛けてきた。佐々岡監督や同僚からの慰留も心に響いた。

 「“一緒にやろう、力になってほしい”などと言われた。その全部がうれしかった」

 細部の詰めは残すものの、2年契約で現状維持の年俸1億2000万円プラス出来高払い、総額3億円の提示に大筋で合意。佐々岡監督は「よかった。投手陣を引っ張り、(先発)ローテーションでしっかりやってもらいたい」と期待した。

 興味を示した巨人など他球団の評価を聞きたい葛藤はあったという。それを上回ったカープ愛。明大の後輩・森下がドラフト指名され、野村自身、手本を示す意味でも来季に懸ける思いは強い。
 「巻き返し、手本になる先輩でありたい」

 円熟の30歳。限界打破へ新たなる挑戦だ。(江尾 卓也)

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2019年10月27日のニュース