西武・森 千賀撃ち1差弾!ソフトBと首位攻防第1R 20発カルテット完成で連覇射程

[ 2019年8月31日 05:30 ]

パ・リーグ   西武4-2ソフトバンク ( 2019年8月30日    メットライフD )

7回1死一塁、森は勝ち越し2ランを放ちナインの出迎えを受ける(撮影・森沢裕)
Photo By スポニチ

 ついに、タカの背中をとらえた。西武は30日、ソフトバンクとの首位攻防戦第1ラウンドに4―2で逆転勝利し4連勝。2―2で迎えた7回に森友哉捕手(24)が左翼ポール際に決勝の20号2ランを放った。攻守の要の活躍で首位と1ゲーム差に迫り、きょう31日も勝てばゲーム差なしの2位。「獅子おどし打線」が、パ・リーグ連覇へと勢いづいた。

 森の集中力はMAXに達していた。2―2の7回1死一塁。千賀の初球、151キロの外角高め直球を押し込むように左翼ポール際へ運んだ。3戦連発で、自身初の20号に到達する値千金弾だ。

 「初球から前に打とうと。感触は良かった。追い込まれたら勝算はない。試合前から考えていたことです」。千賀には直前の打席まで通算39打数6安打(打率・154)、13三振。仕留めた裏にあったのは冷静な分析と、早いカウントから振りにいく覚悟だった。

 入団6年目。捕手として、クリーンアップとしてチームの勝利が最優先のポリシーは、大阪桐蔭時代から変わらない。20発の大台にも「ホームランが出たから調子いいとか、うれしいわけではない。常にヒットを打って常に出塁する。打率にはこだわりがありますけど」と淡々。この1安打で打率・337とリーグトップを維持した。捕手としてのリードでも4回以降、ソフトバンク打線を無得点に抑えたことに「今井や平良が粘ってくれた」と若手を称えた。

 憧れはメジャーを代表する「打てる捕手」ヤディエル・モリーナ(37=カージナルス)だ。昨年の日米野球でMLB選抜として来日。対面時にゲットしたサイングッズを自宅に大切に飾ってある。13年WBCでは母国プエルトリコ代表として参戦し、日本との準決勝では重盗を封じて侍ジャパンの3連覇を阻んだ司令塔。2度の20本塁打超えを含む通算153本塁打、5度の打率3割超えと、シュアで勝負強い打撃は森も目指すところだ。

 首位攻防3連戦に森の一発で先勝。辻監督も笑いが止まらない。「打った瞬間だよな。昨日よりデカかった。見事としか言いようがない。天才です」。攻守の要を絶賛し「うれしいよね。今日の1勝は大きい」と語った。

 昨季は春先から首位を守りながら夏場以降、ソフトバンクの猛追に遭い、辛うじて逃げ切った。だが今年は追う側で臨み、今月16勝10敗と猛チャージ。3連勝で今季初の首位に浮上する。「追う立場だから去年みたいにビクビクすることはない。明日もあさっても勝って首位になります」。森が声を大にした。(伊藤 幸男)

 ○…森(西)が自身初となる20号本塁打をマーク、西武の捕手で初めて20号に到達した。捕手のシーズン20本塁打以上は13年阿部(巨=32本)以来、パでは09年田上秀則(ソ=26本)以来10年ぶりとなった。西武は今季、山川を筆頭に中村、外崎、森の4人が20本塁打。現在18本の秋山が到達すれば、08年西武(中村、ブラゼル、G・G・佐藤、中島、ボカチカ)などが記録しているチーム20本塁打以上5人のリーグタイ記録となるがどうか。

続きを表示

2019年8月31日のニュース