変わりゆく高校野球 令和の始まりは絶対エース時代の終わりなのか――

[ 2019年8月20日 08:00 ]

第101回全国高校野球選手権大会

星稜・奥川
Photo By スポニチ

 20日は履正社(大阪)―明石商(兵庫)、中京学院大中京(岐阜)―星稜(石川)の準決勝が行われる。4校は休養日の19日、兵庫県西宮市内などで練習した。今大会は、投手の故障予防、そして来年以降に導入される可能性がある球数制限を見据え、複数投手制を敷くチームが増えてきた。準々決勝までの45試合を関係者の証言などを基に検証する。

 準々決勝までの45試合で、勝利校の投手起用人数は延べ90人。1試合平均2人は、「継投」での勝利を意味する。5年前の14年は平均1・48人で、完投勝利は30あったが、今大会はここまで17。一方、3投手以上の継投で勝利をつかんだ試合は13あり、過去5年と比較しても最多だ。

 絶対的エースを抱えていても、複数投手制を整えることは、常識になりつつある。奥川を擁する星稜の林和成監督は「あれだけの投手がいれば、使いたくなるが夏は奥川だけでは勝てない」と話す。実際、延長14回165球を投げた智弁和歌山戦翌日の準々決勝は登板せず。春の石川県大会から奥川に頼らないチームづくりを進め、2年生の荻原、左腕の寺沢の成長が「奥川温存」を可能にしている。

 明石商も2年生エースの中森という柱がいる。しかし、狭間善徳監督は「彼はまだ3年生ほどの体力はない」と配慮。初戦は135球で完投したが、中6日の準々決勝でも7回途中まで起用せず、球数を37球に抑えた。指揮官は「選手は優勝したいと言っているので、そこから逆算している」と意図を明かす。

 変幻自在の起用法で8強に進出したのが仙台育英だ。笹倉、伊藤の1年生コンビを含む4投手を併用。背番号1の大栄をあえて試合中盤の2番手で起用する戦術を取った。須江航監督は「これからも複数投手でやっていく。それが勝率につながるし、球数を投げて疲弊することも防げる。野球界が求めていることだと思う」と説明する。同じく4投手を起用している中京学院大中京の橋本哲也監督は「戦術として、目線を変えるためにも複数投手は大事」とし「駅伝のたすきリレーみたいなもの。交代がマイナスと捉えないでほしい」と強調した。

 酷暑の中での大会。来年以降、球数制限導入の可能性が高まる中、複数投手制は令和時代の主流になりそうだ。

 《昨夏準Vの金足農 輝星が準決まで全完投 決勝まで計881球》ベスト8進出校で、最も投球数が多いのは履正社・清水の474球(4試合)で、次いで作新学院・林の352球(3試合)。履正社は清水と岩崎の2投手だけで勝ち上がっている唯一のチームだ。ちなみに、昨夏準優勝の金足農・吉田輝星(現日本ハム)は、準決勝までの5試合全て完投。準々決勝まで615球、決勝まで計881球を投げた。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2019年8月20日のニュース