【令和新時代 夏のメモリー】花巻東、頭髪自由化でも伝統ハツラツプレー変わらず

[ 2019年8月10日 08:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 第4日1回戦   花巻東4―10鳴門 ( 2019年8月9日    甲子園 )

整列する花巻東ナイン (撮影・亀井 直樹)
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 伝統は受け継ぎ、新しい時代に合わせて変わっていく。今年で101回目となった夏。敗れても花巻東は、爽やかな足跡を残していった。

 「高校野球は教育の場ですから、時代とともに変わるべきところは変えていこうと」。流石裕之部長はそう言った。頭髪自由化。花巻東は昨夏の第100回大会後、髪を伸ばせるようにした。強制ではない。丸刈りのままでも、伸ばすのも個人の自由だ。エース・西舘は「最初はびっくりして戸惑いもあったけど、もう普通です」。スポーツ刈りよりも長く、清潔感のある髪形。昨夏出場した慶応(神奈川)も髪は長く、旭川大高(北北海道)もそうだった。

 髪を伸ばすことで身だしなみに気を使う。どうしたら人に不快感を与えないか。流石部長は「早起きになったし、寝癖を付けてくる選手はいません」という。選手の人としての成長が、そこにある。前常総学院監督の名将・木内幸男氏(88)はこんな話をした。

 「今はブレザーの学校が多いでしょ?丸刈りだと似合わないからね。それが嫌で野球をやらない子も多い。昔がいい、悪いじゃない。時代に合わせて変わればいい。もう“甲子園に行くときは丸刈り”という時代じゃなかっぺ」。木内氏はこれから長髪の学校が増えていくと分析する。

 令和の甲子園。髪が長くても短くても、見る人の胸を打つ全力プレーは変わることはない。(秋村 誠人)

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2019年8月10日のニュース