【愛知】今夏愛知大会初のタイブレークは西尾東が勝利 山田が超ロング救援10回11K零封

[ 2019年7月15日 16:44 ]

第101回全国高校野球選手権愛知大会 3回戦   西尾東5―2中部大春日丘 =延長13回タイブレーク ( 2019年7月15日    小牧市民 )

<中部大春日丘・西尾東>10回、ピンチを切り抜けガッツポーズする西尾東・山田紘太郎
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 今夏の愛知大会で初めてタイブレークとなった3時間16分の大熱戦を、西尾東が制した。

 延長12回2―2で決着がつかず、グラウンド整備後に延長13回からタイブレークに突入。先攻の西尾東は5番・加藤健輔捕手(3年)の犠飛で1点を勝ち越すと、なおも2死二、三塁から森裕吾内野手(3年)が中前に2点適時打。3点のリードを奪い、その裏は4回から救援した背番号10の山田紘太郎投手(3年)が3人で打ち取り「これまでで初めて」と話す10回を投げ、130球4安打11奪三振無失点の快投で激闘を締めた。

 “公立の星”が、快刀乱麻と呼ぶにふさわしい投球を見せた。1―2と1点ビハインドの4回からマウンドに上がった山田は、この回いきなり自己最速を1キロ上回る145キロを記録。これで波に乗ると、7回には女房役の加藤が2死満塁から押し出し四球を選び、同点に追いついてもらった。タイブレークの13回を含め計5度、得点圏に走者を置いたが本塁は踏ませず。「8回ぐらいから覚悟はしていた。最後までいくつもりだった」と、タイブレークに入る準備はできていた。無死一、二塁から始まった延長13回も先頭から2者連続三振。最後は二ゴロに打ち取り「今日が今までで一番いいピッチングができた」と満面の笑みで振り返った。

 昨秋のリベンジも果たせた。中部大春日丘とは秋季愛知大会の3位決定戦で記録的な乱打戦を演じたが、20―23で敗戦。この試合は山田も指をケガした状態で臨み、本調子ではなかった。以降も山田は調子が上がらず、6月の全三河大会の安城戦では先発しながら四球を連発し、1回もたず7失点で降板。「つらい毎日だった」と回顧するが、背番号1を付ける橋本龍輝投手(3年)に「調子が戻ってくるのを待ってる。夏は2人で投げような」と言われ、吹っ切れた。西尾東OBの元中日・岩瀬の1学年下でプレーした寺沢康明監督(44)は「大会1カ月前の段階では、どう考えても橋本(がエース)だった」と話すが、この試合で完全復調を誇示した山田に「スケールは今まで指導した中でも最高に大きい。そういう投手と出会えたことが幸せ」と最大級の賛辞を贈る。愛知制覇へ越えなければならない最初の壁をぶち破り、山田は「最後、整列のあと握手した時にウルッときた」と喜びに浸った。

 それでも校歌斉唱を終えると、山田は背番号20の越山暁斗(2年)とともに、中部大春日丘のベンチに向かって一礼した。「春日さん(中部大春日丘)は熱いチームで、打席の中で“来い!”と大声を出してきたり、本っ当に楽しかった。僕も熱くなった。今までで一番楽しかった試合だったので、感謝の気持ちが出ました」。共に激闘を演じた相手への敬意を示した“三河のサムライ”。勝った西尾東の石川寛大主将(3年)も「負けられない思いがあったので…」と試合終了後に号泣する、愛知の高校野球史に残る一戦に、球場はいつまでも温かい拍手と歓声に包まれた。

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