巨人・坂本2発で年間53発ペース 早くも昨季超え 秘密は「足の上げ方」

[ 2019年6月3日 09:10 ]

セ・リーグ   巨人3―1中日 ( 2019年6月2日    東京D )

5回無死一塁、勝ち越しの左越え2ランを放つ坂本勇(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

【追球 ここにFOCUS】1球ごとにタイミングの取り方を変える。巨人・坂本勇が「自分でもびっくりするくらいホームランが出ている」と驚くシーズン53発ペースの秘密が、足の上げ方にある。今季初の2打席連発に凝縮されていた。

 「強く遠く飛ばすことを意識していた。今年、数多く出ている」

 まずは0―1の3回1死。走者がいない状況で、ロメロがゆったりと右足を上げて148キロ直球を外角に投じた。坂本勇は左足を上げかけると、一瞬だけ静止させる。直後に「二段モーション」のように上げ直した。逆方向の右翼席深くに運ぶ同点の18号ソロだ。

 一転、5回無死一塁。一塁走者は俊足が売りの重信だった。クイックで投じたロメロの146キロ直球が懐に投じられる。今度は足をスッと上げ、引っ張って左翼席へ。勝ち越しの19号2ランだ。「なかなか合わなかったので打席の中でいろいろ変えながらやった」。ロメロとは過去2度の対戦で6打数1安打。直球で4度打ち取られていた。この日は2打席とも直球に対し、タイミングの取り方を工夫してフルスイング。昨季の18本塁打を早くも超え「いいスイングができているから打球も飛ぶ」と言った。

 今季19本塁打のうち9本が中堅から右方向。原監督は「今年の特徴ではないでしょうか。角度も距離も、グラウンドを広く使えている」と分析する。全3打点を挙げ、2連勝に貢献。広島・鈴木に並ぶ41打点とし、本塁打と合わせてリーグ2冠に立った。今季から取り組むタイミングの取り方が奏功している。(岡村 幸治)

 ≪シーズン3度の1試合2発は初≫坂本勇(巨)が3回同点18号、5回勝ち越し19号と2ホーマー。今季1試合2本塁打は5月6日DeNA戦、同24日広島戦に次いで3度目。通算では11度目になるが、シーズン3度は10、17年の各2度を抜き最も多くなった。また、自身マルチ本塁打がいずれも殊勲弾となったのは09年5月2日阪神戦以来10年ぶり2度目だ。これで今季の殊勲弾は8本。鈴木(広)と並び両リーグ最多タイと価値ある一発が目立つ。

続きを表示

2019年6月3日のニュース