阪神・木浪、待望のプロ初安打 18打席目で快音「苦しんでいたのでうれしい」

[ 2019年4月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―9中日 ( 2019年4月12日    甲子園 )

7回1死、代打・木浪は中前にプロ初安打を放ち塁上でバンザイ (撮影・奥 調)
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 阪神は12日、中日に敗れ今季2度目の3連敗で借金はワースト3となった。悔しい敗戦の中、ドラフト3位の木浪聖也内野手(24)が7回1死から代打出場しプロ18打席目で初安打を記録。この一打から9人攻撃で3点を還し、本拠の虎党も一瞬、逆転勝ちの夢を見た。5試合ぶりに先発した同1位・近本光司外野手(24)もプロ初の3安打。再び、輝き始めたルーキーコンビが猛虎にさらなる刺激を与える。

 今度こそとばかりに虎党も大声援で安打を願った。7回1死。木浪は代打で登場するとカウント1―1から中日・佐藤の外角直球を中前に運ぶプロ初安打。5点ビハインドの中でも一塁ベース上で両手を突き上げて喜びを表現した。

 「積極的にいけました。ずっと(安打が)出なくて苦しんでいたので、1本出てうれしい」

 実に18打席目での一打だった。オープン戦から結果を残し、開幕戦では1番で先発したが、不調が続き3日の巨人戦から先発落ち。それでも「考えすぎはよくない。切り替えてやろう」と常に前を向いてきた。この一打が起点となって近本、糸原の適時打が飛び出すなど3得点。2点差に迫り、逆転勝ちを夢見た4万1109人の虎党もこの日、最も沸いた。

 木浪自身、今春キャンプの実戦から好調をキープする中、見えない重圧とも闘っていた。「夜も10時すぎに寝るようにしていたんですけど、深夜2時や明け方5時といった変なタイミングで目が覚めてしまう。でも体とかは疲れていない。脳が起きてしまってるんですかね」。これまでに経験のない夜。熟睡できなくても、練習や試合になれば試合直前に鏡を見て「よしっ」と気合を込めて切り替える日々を過ごした。記念球は手元に戻り「(両親に)あげます」と青森に住む両親に贈る方向だ。

 負けじと近本も意地を見せた。敗色濃厚の9回には一塁方向に力のないゴロが転がったが、自慢の俊足を生かして内野安打とした。6回に左前打し7回2死一、三塁での中前適時打と合わせプロ入り初の3安打。11日に代打でプロ初本塁打を放ち、5試合ぶりにつかんだ先発出場でも起用に応えた。

 「自分の考えとか、頭の中もシンプルになってきているのは、いいかなと思う」

 敗戦の中で、開幕1、2番を形成した新人コンビが「初の安打そろい踏み」。2人の安打がこの日の猛虎を活性化させたことは事実。一皮むけた「キナチカ」が、連敗ストップはもちろん、今後も力になるはずだ。(長谷川 凡記)

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2019年4月13日のニュース