MLBでトレンド化、二刀流が続々 渡米から1年、先駆者・大谷にあらためて敬服

[ 2019年1月20日 10:00 ]

エンゼルスの大谷
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 地殻変動はもう起こっている。米CBSスポーツは現地17日(日本時間18日)付で「二刀流は大リーグでトレンド化し、その価値を最大のものにしようとしている」と特集を組んだ。

 特集によれば、ホワイトソックスからFAとなったマット・デービッドソン内野手(27)を、レイズが二刀流選手として獲得を目指しているという。

 一、三塁を守るデービッドソンは、昨季20本塁打、一昨季26本塁打の大砲タイプ。一方で昨季は投手デビューを果たし3試合に救援登板。計3イニングを投げ打者11人に対し、1安打1四球2奪三振、無失点で防御率0・00の成績を残した。これだけではメジャーでまま見られる、大差がついた試合での野手登板と言えるのだが、レイズは本格的に投手起用することを視野に入れていると伝えた。

 直球は最速92マイル(約148キロ)。特に落差あるカーブは強烈で、ジアンカルロ・スタントン(ヤンキース)からも空振り三振を奪った。急造投手とは質の違う球を投げることは一目で分かる。

 このオフ、FAとなる前には自ら投球練習を続けていくことをホ軍に直訴し、その許可も得ていた。

 昨季はレッズの救援投手マイケル・ロレンゼンが45試合に投げ、4勝2敗1セーブ、防御率3・11の好成績を残しつつ、打者としても代打などで打率・290、4本塁打、10打点の好成績を残した。

 レイズは17年のドラフト1巡目、ブレンダン・マッケイ投手もマイナーで二刀流として育成中。レンジャーズ傘下マイナーのブレット・イーブナー、アンソニー・ゴース、ブルワーズからFAのクリスチャン・ベタンコートも二刀流選手として認知されている。

 大谷が海を渡ってわずか1シーズンで、メジャーの野球には明らかな変化が生まれている。

 一方で日本球界はどうだろう。大谷が二刀流として13年にデビューし、5シーズンにわたり活躍をみせる中で、彼の後を追い二刀流に挑戦する選手は一人も現れなかった。

 日米の文化や国民性、指導方針の違い。また競技人口や、高い身体能力を持つ若手の層の厚さなど、理由はさまざまと挙がる。

 何よりそんな日本において、二刀流を貫き通した大谷の強い意思と、高いポテンシャルにはあらためて敬服するしかない。(記者コラム・後藤 茂樹)

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