巨人 ヤングマン 初登板初勝利 開幕から2軍暮らしも腐らず「役に立った」

[ 2018年7月2日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3―0中日 ( 2018年7月1日    ナゴヤD )

来日初勝利のヤングマン(左)は高橋監督から祝福を受ける(撮影・荻原 浩人)                                                                                                                                                                                
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 素晴らしいヤングマン!巨人は1日、新外国人のテイラー・ヤングマン投手(28)が中日戦で来日初登板初先発。8回を3安打無失点、三塁を踏ませない快投で初勝利を挙げた。カーブとの緩急差を駆使してゴロアウトは13個。外国人枠の関係で長く2軍生活を続けていた「遅れてきた救世主」の活躍でチームは連勝、7月白星スタートとなった。

 やっと巡ってきた1軍の舞台で、ヤングマンは長い腕を存分に振った。唯一、得点圏に走者を背負った4回2死一、二塁。京田を見逃し三振に斬った144キロ直球は、ナチュラルに変化して懐に食い込んでいった。

 「緊張より、興奮して楽しみだった。低めに集めてゴロを打たせるのが自分の投球スタイル。それができた」

 マウンドで仁王立ち。身長1メートル98のビッグマンは、足の大きさ34センチと故ジャイアント馬場さんの16文(約38センチ)に迫る。その足を三塁側へ踏み出すクロスステップ。右打者は腰が引け、左打者は急角度で食い込むボールに手を焼いた。加えて2階から投げ下ろす110キロ台のカーブ。手元で変化する最速147キロの直球との緩急で、ゴロアウト13個と凡打の山を築いた。

 「2軍スタートが逆に役立った。日本スタイルの野球へのアプローチを学べたから」

 ちょっと時間がかかった。外国人枠の関係で開幕から2軍暮らし。それでも持ち前の明るさと生真面目さで決して腐らず7勝、防御率1・43などリーグトップの数字を残した。「追い込まれたら粘ってくる。三振が取りにくい」という日本独自の野球に対応すべく、週ごとにテーマを決め変化球、クイックの向上などに取り組んだ。

 「日本食も好きだし、楽しんでるよ」。ブリタニー夫人とは大好きなラーメンを食べ歩き、自宅近くの「一蘭」「一風堂」に足しげく通う。順応性豊かな28歳。異国の地での活躍も必然だった。

 現れた救世主。次回も先発陣の一角として登板し、舞台が東京ドームなら登場曲として故西城秀樹さんの「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」が大音響で流れる。5月に亡くなった際には「残念だし寂しい。1軍に上がって曲を流したい」と話していた。思いは、もうすぐかなう。 (鈴木 勝巳)

 ◆テイラー・ヤングマン

 ☆生まれ 1989年12月18日生まれ、米テキサス州テンプル出身の28歳。。

 ☆サイズ&投打 1メートル98、95キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 ジョージタウン高では野球とバスケットボールをプレー。テキサス大オースティン校から11年ドラフト1巡目でブルワーズ入団。メジャー通算30試合で9勝13敗、防御率4・54。15年にイチロー(マーリンズ)と2打席対戦。

 ☆球種 直球、カーブ、スライダー、チェンジアップ。この日はチェンジアップは投じず。

 ☆趣味 旅行。「時間は短くても、なるべく他の場所に行って新しい経験をする」と好奇心旺盛で、休日には奈良に出かけ「東大寺や鹿がよかったね」。

 ☆不動産 米国での不動産取引に興味があり「本を読んで勉強している。面白いよ」。ちなみに大学での専攻はスポーツマネジメント。

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