広島13年ぶり開幕3連勝 誠也代役の右翼・下水流先制弾&4番エルド弾

[ 2018年4月2日 05:30 ]

セ・リーグ   広島8―3中日 ( 2018年4月1日    マツダ )

<広・中>2回2死、下水流は中越えに先制ソロを放つ
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 広島が13年ぶりの開幕3連勝を飾り、早くも単独首位に立った。1日の中日戦は「右翼」を守った下水流昂外野手(29)が先制1号を含む2安打で貢献し、「4番」に座ったブラッド・エルドレッド内野手(37)が2号3ランの活躍。下半身の張りで鈴木誠也外野手(23)が欠場した緊急事態を“代役コンビ”の躍動で乗り切り、選手層の厚さを見せつけた。

 「4番・右翼」から鈴木の名前が消えても揺るがなかった。右足首骨折からの復帰を考慮した計画的な休養策ではない。下半身の張りによる突発的な欠場。中核不在の緊急事態が逆に選手層の厚さを印象づけた。

 2回の先制弾は「右翼」の代役、下水流が放った。全体練習後に先発が伝えられ、今季初スイングに並々ならぬ思いを込めた。

 「覚悟を持って、自信を持っていくしかないと思っていた。もらったチャンスなので、絶対に生かそうと。ダメならクビ。その覚悟を持って今年に入ったので後悔はしたくなかった」

 2回2死無走者。カウント1―1から笠原のボール気味の外角高め139キロの直球をフルスイングし、バックスクリーンへ打ち込んだ。2年ぶり通算6号で先制点を叩き出し、5回先頭では左前打で突破口を開いて田中の決勝打を呼び込んだ。

 「誠也の代わりということはあまり考えていなかった。振るしかないと思っていた中で、ファーストスイングから、それができてよかった」

 大学、社会人を経た背水の6年目。昨季は9試合出場でわずか1安打だった。今春オープン戦で打率・360の結果を出し、3年連続3度目の開幕1軍入り。殊勲の壇上で「今年で30歳になります。若手のつもりでまだまだ頑張ります」と決意を込めた。

 「4番」の代役だったエルドレッドも期待に応えた。7回1死一、二塁から左中間への2号3ランで勝利を決定づけ、「誠也を欠くことは大きいけど、後ろの打者も同じような仕事ができるのが強みだからね」と胸を張った。

 精神的支柱の新井が開幕から不在で、鈴木も決して全開ではない。長いシーズンを思えば同様の事態は今後も起きる可能性があり、緒方監督は「ああいう選手(下水流)が出てくるとチームの力になる。これからも全員で戦っていきたい」と手応えをにじませた。大きな補強はなくても、地道に積み上げてきた戦力は強く厚い。(河合 洋介)

 《今季も逆転の広島》広島は今季開幕3連勝をすべて逆転勝ち。優勝した過去2年の逆転勝ちは16年89勝中45度、17年は88勝中41度でどちらもセ・パ12球団最多。今季も逆転の広島は健在だ。

 《誠也は下半身の張り》鈴木が下半身の張りで欠場した。練習には参加し、途中で異変を感じ取った模様だ。松原チーフトレーナーは「次の試合に向けて時間をもらった。チームドクターに診てもらい、試合中に治療した」と説明。本人は帰途で「大丈夫だと思います」と見通しを示した。昨夏に骨折した右足首は万全と言えない状態だけに緒方監督は「休ませた。シーズン中にも想定していること」と強調。3日からのヤクルト3連戦については状態を見て判断する方針だ。

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