19歳DeNA京山 連敗止めた初登板初勝利 実はラーメン職人志望だった

[ 2018年4月2日 08:50 ]

セ・リーグ   DeNA3―1ヤクルト ( 2018年4月1日    横浜 )

<D・ヤ>ウイニングボールを手に笑顔の京山(右)とラミレス監督
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 DeNAの京山将弥投手(19)が1日のヤクルト戦でプロ初登板初先発し、5回5安打1失点で初勝利を挙げた。先発陣に故障者が続出する中、高卒2年目の右腕が、就任3年目のラミレス監督に今季のチーム初勝利を届けた。10代の投手が開幕カードで初登板初勝利を挙げるのは、球団では57年ぶりの快挙となった

 19歳の若き右腕が救世主となった。開幕3戦目が1軍デビュー戦となった高卒2年目の京山。大歓声に包まれながらマウンドに向かうと、緊張が襲ってきた。先頭は過去2度の「トリプル3」を達成している山田哲。初球の142キロ直球で中飛に打ち取ったことで、緊張がほぐれた。

 開幕2連敗という重圧のかかる状況が、闘争心に火を付けた。「チームの連敗を自分が止めるつもりだった」。3者凡退は3回だけだったが「1点はOK」と走者を置いても、全力で腕を振った。最速は146キロを計測。「一番さえていた」というカットボールを軸に組み立てた。5回2死二塁から山田哲を打ち取った当たりが右前へ落ちる不運な安打で1点を失ったが、5回5安打1失点。地元・滋賀から駆けつけた両親の前でプロ初勝利をつかみ、初のお立ち台で「凄く気持ちいい」と声を張り上げた。

 近江高では2度の甲子園出場経験があるが、入学時からプロを目指していたわけではない。野球部前部長の伊東洋教頭は「ラーメンが大好きで。“将来、ラーメン職人になりたい”と言っていた」と明かす。野球雑誌と同じぐらいラーメン店を紹介する雑誌を読みふけった。プロを意識したのは、2年秋。智弁和歌山との練習試合で9回1失点と好投したのがきっかけだった。強豪大学からの誘いも蹴って高卒でプロの門を叩いた。

 今永、浜口、ウィーランドが故障で開幕に間に合わず、3月6日の阪神戦で5回2安打無失点の京山に白羽の矢が立った。抜てきしたラミレス監督は「19歳の若者がチャンスで初勝利したことがうれしい」と目を細めた。

 「このまま1軍のローテーションを守って“京山が投げる日は勝てる”と思われる投手になりたい」。ラーメン職人の前に「ハマのエース」になる。チャンスを生かした右腕に明確な目標ができた。(重光 晋太郎)

 ▼小川監督 制球がよくて絞りきれなかった。

 ▼青木 丁寧に投げていた。ボールが見れてスタイルが分かったので次に生かしたい。

 ▼山田哲 制球が良くて、丁寧に投げていた。甘い球が来なかった。

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