「中3、4日」でブルペン 速い?遅い?大谷の調整スピードに注目

[ 2018年2月5日 11:45 ]

1月30日、メジャー仕様のブルペンで投げ込む大谷
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 スローペースか、ハイペースか。エンゼルスに入団が決まった大谷翔平投手(23)の仕上がり具合、特に投手としての調整スピードに注目している。

 メジャー挑戦1年目のこのオフ、初めてブルペンに入ったのは1月17日だった。次は中3日で21日。その後、再び中3日を空けた25日の3度目のブルペンで初めて捕手を座らせた。昨年10月の右足首手術後、初の本格的な投球練習だ。それから中4日で30日に1月最後のブルペンに入った。計4度のブルペンは全て30球前後。日本ハムの本田訓宏2軍トレーナーは「エンゼルス側のスケジュール。本人の状態も良いから、(ブルペンに)入っている」と説明した。

 キャンプ中、メジャーの投手は中1日を空けてブルペンに入るのが一般的だが、二刀流の大谷は打者として調整も必要。エ軍のビリー・エプラーGMは「疲れをためないこと」と話しており、故障のリスクを軽減するためにも、この時期からの中3、4日、球数30球程度のブルペン調整を指示したとみられる。

 新人合同自主トレ期間だった13年と右足首を痛めた昨年を除くと、キャンプ前の1月のブルペン入りは14年7度、15年5度、16年2度。今回の調整は最多勝、最優秀防御率、最多勝率の投手3冠に輝いた15年の調整法に近いと言える。ハイペースだった14年は前半戦で9勝を挙げたが、後半戦は2勝止まり。一方、スローペースだった16年は投打で日本一に導くも開幕序盤は勝ち星が伸びず、右中指のマメにも悩まされた。日米でキャンプインの時期こそ違えど開幕時期はほぼ同じ。今回の自主トレ期間中、大谷と日本ハムトレーナー陣はエ軍とメールで連絡を取り合いながら練習メニューを決めており、単なる「エンゼルス流調整法」ではないこともうかがい知れる。

 2月1日、大谷は渡米直前の会見で「ちょっと(調整が)遅いかなという感じがするけど、焦ることなくいつも通りやれている。普段通りできればいいかなと思う」と言った。大谷自身の実感はスローペース。同14日(日本時間15日)のバッテリー組のキャンプインに向け、米国で状態を上げていく構えだ。

 キャンプ中も「中3、4日」の独自調整を続けるのか否か。今年でベーブ・ルースが2桁勝利&2桁本塁打を達成してちょうど100年目。エ軍が、大谷自身が二刀流をどのように成功に導くのか注目していきたい。(記者コラム・柳原 直之)

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2018年2月5日のニュース