敵味方関係なし 大谷、大声援浴び日本最終戦「実力を高め、勝てるように」

[ 2017年10月10日 05:38 ]

パ・リーグ   日本ハム3―1楽天 ( 2017年10月9日    Koboパーク宮城 )

<楽・日>4回の打席の前に、楽天ベンチに向かってヘルメットを振りあいさつする大谷
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 今オフにポスティングシステムを利用しメジャー挑戦の意思を固めている日本ハムの大谷翔平投手(23)が9日、今季最終戦の楽天戦に3番・DHで出場。4打数無安打に終わったが、日本での最後の公式戦に東北のファンから大声援を浴びた。二刀流の歩みは今度はメジャーに舞台を移すが、全30球団を巻き込んだ獲得レースが待ち受けている。

 今季最終戦を終え、大谷はナインと右翼席のファンにあいさつに向かった。「頑張れ、頑張れ、大谷!」。正式にメジャー移籍を表明していないが、ファンも覚悟している。まさかの「コール」に23歳は照れ笑いとともに、足早にベンチに戻った。

 「勝てて良かった」。本音だった。2点リードの7回1死満塁で、2番手左腕・高梨の外角スライダーに見逃し三振するなど、4打数無安打2三振。プロ1年目、13年7月10日にプロ初アーチを放った仙台、生まれ育った東北で有終の美とはいかなかったが、大谷らしく、最後までチームの勝利を喜んだ。

 「できるか、できないかより、誰もやらないことをやってみたい」とかつて言った。二刀流として歩んだ5年間はこの言葉に集約される。だが、今季はケガに苦しんだ。右足首痛でWBC出場を断念。開幕直後には走塁中に左太腿裏を肉離れし長期離脱した。「(1軍の)土俵にも立てなかったのは凄くもどかしい。楽しくないこともあった」と思わず本音も漏らした。二刀流出場は1試合。本拠地最終戦だった10月4日のオリックス戦でプロ野球史上66年ぶりの「4番・投手」で完封勝利は意地だった。

 今後は球団とポスティング申請の時期も含めて話し合い、正式にメジャー移籍へ動き出す。昨秋の日本シリーズで痛めた右足首の手術も受ける見通しだ。すでに代理人の選定もスタートさせている。大谷は手術も含めた近未来について「今ここで言う必要がない」と口を閉ざしたが「(メジャーは)目標というか憧れみたいなものはあるんじゃないかなと思う」と言った。

 当面は千葉・鎌ケ谷の2軍施設で秋季練習に参加する。「個人的に一日一日、一打席一打席、自分の実力を高めるために、プラス勝てるように、そこを意識して頑張りたい」。舞台を米国へと移しても、成長への歩みを止めない。それこそ、育ててくれた日本球界への恩返しにもなる。 (柳原 直之)

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