阪神・大山 奇跡Vへの使者や!球団新人初4番弾「積極的に打ちにいった」

[ 2017年9月3日 08:23 ]

セ・リーグ   阪神9―2中日 ( 2017年9月2日    甲子園 )

<神・中>3回1死、大山が左越えに6号ソロを放つ
Photo By スポニチ

 阪神のドラフト1位・大山悠輔内野手(22)が2日、中日戦(甲子園)で2試合連続の4番起用に応える6号ソロを放った。阪神の新人が4番で本塁打を記録するのは球団史上初の快挙。この一発で勢いづいた打線は5年ぶりとなる甲子園1試合4発をマークし、9―2で大勝した。5連勝で今季最多を更新する貯金17。5・5差で逃げる首位・広島を、とことん追いかける。

 前日休養日だった福留が復帰しても、大山は4番を任された。言うまでもなく重圧のかかるポジションだが、動じることはない。それどころか、猛虎の歴史にその名を刻んでみせた。

 「点を取られた後だったので、出塁することを考えて積極的に打ちにいったことが、良い結果につながってくれたと思います」

 4―2で迎えた3回1死。真ん中高めに入った初球を逃さなかった。142キロ直球を強振すると、打球は長距離打者特有の大きな放物線を描いて左翼席に着弾した。球団史上初めてとなる新人4番での本塁打。猛虎の偉大な先人たちもなし得なかった快挙を、抜てきからわずか6打席目でやってのけた。

 3回2死満塁から能見が打ち取ったはずの遊ゴロが、イレギュラーバウンドして2点を失った。球場に嫌な雰囲気が流れつつあった直後の攻撃。「あの展開で1点取るのと取らないのでは全然違う」。大山の頭にはただ「打つ」だけでなく「流れを変えたい」という主軸に必要な考えが備わっている。だから、どんな場面でも周囲からは冷静に見えるが、心の内は違う。

 「打席で緊張して足が震えることはあります。でも、それを投手に感じられたらダメ。野球はチームプレーですけど、打席では1対1の勝負。(緊張を)表情に出したら負けだと思ってます」

 これは白鴎大の4年間で培われた精神だ。下級生から主軸を任された経験で、試合を重ねる度に感情を支配する術を学んだという。

 「チャンスでもいつも通り、力を抜くように。4年間(試合に)使ってもらって、少しずつ、気持ちの操作ができるようになっていきました」

 注目度が桁違いのプロの世界で大観衆に見守られての打席。緊張しないわけがない。それでも表情に出さず打席に立ち、投手に、自らに打ち勝つ。4番で結果を出すのは、決して偶然ではない。

 大山の一発で勢いづいたチームは、5年ぶりとなる甲子園1試合4発で圧勝した。長期ロード明け、いまだ負けなし。首位・広島は変わらず強さを発揮しているが、追いかけ続けるのみだ。5・5差。「奇跡」を起こすチャンスは十分にある。 (巻木 周平)

続きを表示

2017年9月3日のニュース