41歳稼頭央 スイッチ史上初!200号&2000安打「忘れてた」

[ 2017年4月23日 05:39 ]

パ・リーグ   楽天11―2ソフトバンク ( 2017年4月22日    ヤフオクドーム )

<ソ・楽>日本通算200本塁打達成のプレートを手にする松井稼
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 記録のことは頭から抜けていた。6点リードの6回1死で、楽天・松井稼は加治屋の143キロの外角直球を逆らわずに左翼席へ運んだ。通算100人目となる通算200本塁打(日米では232本目)。PL学園の後輩・今江の出迎えを受けて、花束を渡されると、満面の笑みを浮かべた。

 「200号というのは忘れていた。花束をもらって思い出した。でも、久々に試合に出て、結果が出たというのが一番」

 スタメンは1日のオリックス戦(京セラドーム)以来14試合ぶりだが、2回には三塁への打球で全力疾走し、内野安打。10月には42歳を迎える球界2番目の年長選手とは思えぬプレーでだった。

 西武時代の02年には打率・332、36本塁打、33盗塁で「トリプルスリー」を達成。通算26本の先頭打者アーチを記録しているが、「(プロ入りしたときは)本塁打の記録に縁はないと思っていた」と振り返る。

 既に2000安打は突破し、スイッチヒッターとしては通算203本塁打の松永浩美(元ダイエー)、通算2018安打の柴田勲(元巨人)も達成できなかった史上初のダブル快挙。「(人数の少ない)スイッチの特権ですね」と謙遜したが、飽くなき向上心が衰えぬプレーを支える。

 3月、インターネットを見ているとバットの広告が目に留まった。「人間本来の正しい体の使い方やスイングを習得できる」と書いてある。「自分が求めていることだった」。DeNA・筒香も使うグリップから先端まで同じ太さの「Ip Select社」のこん棒型バット。試合前のティー打撃で使い、来るべき出番に備えてきた。

 この日は5発が生まれたが、その中でも昨年5月5日のロッテ戦(コボスタ宮城)以来となるベテランの一撃にベンチは沸いた。梨田監督は「本人も“もう記録達成はないですよ”と、冗談で言っていたが、よくやってくれた」とねぎらった。

 楽天の連敗は2で止まり、首位をキープ。「次にチャンスがあったときにチームに貢献できるようにしたい」。絶大な存在感で、松井稼はまだまだチームの核であり続ける。 (黒野 有仁)

 ≪日本球界100人目≫松井稼(楽)が22日のソフトバンク戦で今季1号を放ち日本通算200本塁打を達成した。日本球界100人目。初本塁打は西武時代の95年8月20日の近鉄戦で酒井から。41歳5カ月での200号到達は75年アルトマン(神)の42歳3カ月に次ぐ2番目の年長記録。また、両打ち選手では松永(ダ)の203本塁打に次ぎ2人目の大台となった。なお、日米通算では232本塁打。

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