【田淵幸一 視点】巨人・坂本勇 確固たる技術に裏打ちされた能見撃ち

[ 2017年4月23日 09:45 ]

セ・リーグ   巨人4―1阪神 ( 2017年4月22日    東京ドーム )

<巨・神>3回1死二、三塁、能見が投じた内角低めのフォークをすくい上げ逆転2点打を放つ坂本勇
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 「右のイチロー」といってもいい芸術的な一打だったが、そこは巨人・坂本勇。昨季の首位打者として、確固たる技術に裏打ちされた逆転打だった。2ボール1ストライクからの4球目、外角のフォークをファウルして追い込まれた。ここで坂本勇は思考を変える。それまでフルスイングだったものを、中堅から逆方向へ。状況に応じた打撃への意識が曲打ちの伏線にあった。地面すれすれに落ちるフォークだったが、得意の内角球。強引にいかなかったからこそ、打球は中堅へと飛んだ。

 体勢が崩されても投手に向かっていく左肩は絶対に開かない。ギリギリまで粘って、最後は左手だけで振り抜いた。打席の左右の別こそあれ、これはイチロー(マーリンズ)と同じ打撃技術だ。さらにこの日の能見は浮いたボールがほとんどなく直球、変化球とも低めに来ていた。相手の投球内容によって目線を変える坂本勇は、配球を読んであらかじめ低めに“目付け”をしていた。だからこそ難しいボールにバットが出た。(スポニチ本紙評論家)

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