ロメロ来日1号3ラン!オリ初勝利 開幕3連敗からお待たせ

[ 2017年4月5日 08:50 ]

パ・リーグ   オリックス7―3西武 ( 2017年4月4日    メットライフドーム )

<西・オ>5回無死一、三塁、右中間越え3ランを放つロメロ
Photo By スポニチ

 手負いのオリックスの息を吹き返す強烈な一振りだった。3回、小谷野の勝ち越し打で3―2とし、なおも無死一、三塁でロメロのバットが火を噴いた。相手先発・多和田の初球、外角スライダーを見逃さず右翼スタンドへ放り込んだ。

 「ゾーンに来たら、しっかり叩いて最悪でも外野フライにと思っていた。それが一番良い結果になって良かったよ」

 感触を味わうように、白球を見届けると悠々とダイヤモンドを一周。出迎えた福良監督らと音が聞こえてきそうなほどハイタッチを重ねた。待ち望んでいた来日1号が、飛び出した瞬間だった。

 球団創設以来初の本拠地開幕3連敗で、さらにこの日は先発ディクソンが制球に苦しみ初回に2点を奪われた。危機的状況を好転させる新主砲の一発。8回には中島の今季1号ソロも飛び出し、指揮官は「ロメロは期待に応えてくれたし中島にも一発が出た。これでノッて行ける」と喜んだ。

 “父”に届ける一発だ。母子家庭で育ったロメロにとって11年9月に他界した祖父ジョーさんが父親代わりだった。左腕に刻むタトゥーは、ジョーさんと祖母メアリーさんの結婚写真。そして5歳の時、野球と巡り合わせてくれたのもジョーさんだった。

 「僕の最初のコーチだったんだ。75歳までシニアチームで指導する野球好きでね、大事なことを教わったよ。“野球を楽しみなさい。嫌なら辞めてもいい。もし好きなら続けなさい”と。いろんな国で野球をして、今、日本にいる。野球を愛した自分を、野球が愛し返してくれている。野球を辞めるつもりはないよ」

 記念球は妻子やメアリーさんが暮らす米国内の自宅に飾る。「マイナーでも、日本でも、どの試合でも、きっと祖父は見てくれている。全試合、全力で頑張るだけだ」。自らの存在感を証明する号砲。頼りになる新助っ人の一撃で、オリックスが、やっと“開幕”した。(湯澤 涼)

続きを表示

2017年4月5日のニュース