菅野 真っ向勝負で筒香封じ!敬遠は「1ミリも頭になかった」

[ 2017年4月5日 06:44 ]

セ・リーグ   巨人5―2DeNA ( 2017年4月4日    横浜 )

<D・巨>8回1死二塁、立岡の適時三塁打で生還した二走・脇谷を迎える巨人・菅野
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 一塁は空いていた。だが、巨人・菅野に迷いはなかった。打席に筒香が立つ。

 「さすがの雰囲気を出していた。でも逃げていたら駄目。(敬遠は)1ミリも頭になかった」。3回、ロペスの適時二塁打で同点とされた直後の2死二、三塁。4球のうち、内角に3球を投げ込み2ボール2ストライク。最後は外角低めのフォークで芯を外した。投ゴロだ。2回の第1打席はワンシームで二ゴロ。6回は四球だったが最後まで攻めの姿勢を見せた。

 「日本一の打者」と認める4番を2打数無安打に抑えた。8回の打席で代打を送られ、直後に打線が爆発。7回111球を投げ、6安打1失点。チームを2年連続の開幕4連勝に導いた。筒香との対戦はまた訪れる。「次は相当な思いで立ち向かってくると思う。それをはね返すことができるように」と見据えた。

 菅野を支えたのは「心」の強さだった。5回まで毎回安打を浴びる苦しい展開。3者凡退は7回だけで、走者を背負い続けたが、折れなかった。あのときも「心」で苦境を乗り越えた。

 たった一度だけ野球をやめようと思ったことがある。東海大相模1年時の冬。新町中では軟式野球部で、硬式球は高校から握った。秋に右肩の炎症を起こし、約3カ月間ノースローが続いた。父・隆志さんに「野球をやめたい」と漏らすと、「自分が納得するならやめてしまえ」と突き放された。吹っ切れた。恐れることなく、肩が吹き飛ぶほどの勢いで全力投球した。痛くない。「病は気から」だったのかもしれない。無意識に右肩をかばっていた自らの弱さを脱却し、今では巨人の、日本のエースになった。

 4年連続の開幕投手に指名されたがWBCの疲労を考慮され、2カード目の初戦に回った。「信頼して任せてもらった。時間をもらったので、責任を全うした」。高橋監督は「粘り強く投げていた」と称えた。

 菅野はヒーローインタビューで宣言した。「絶対日本一を獲ります」。日本の4番を封じ、チームを一気に加速させた。(神田 佑)

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2017年4月5日のニュース