ソフトB正義熱望!大谷と160キロ超対決 同い年「盛り上げたい」

[ 2016年11月20日 05:33 ]

「日本一」と目標を掲げる田中

 ドラフト会議で5球団が競合し、ソフトバンクから1位指名された創価大・田中正義投手(22)が19日、八王子市内のホテルで入団交渉を行い契約金1億円(出来高5000万円)、年俸1500万円で合意した。最速156キロを誇る右腕は、プロの世界では160キロ超を宣言。同い年で世代トップを走る日本ハム・大谷翔平投手(22)との「夢の160キロ対決」実現に向け、まずは開幕1軍を目指す。

 正義VS翔平。合意後の会見でさっそくユニホームに袖を通した田中は、実現すれば異次元の空間となるであろう舞台を思い描いた。お互いの右腕から160キロ超の直球が次から次へと投じられる。長いプロ野球の歴史でも過去に例のない、夢のマッチアップだ。

 「同学年との対戦は、ファンの方も喜んでくれると思う。盛り上げる一人になりたい」。同世代、とは日本ハムの二刀流・大谷にほかならない。相手は日本最速165キロを誇る。「あのボールを生で見てみたい」と目を輝かせた田中は、速球派のプライドとともに対抗心をにじませた。

 「160キロ台は、いつかは出してみたい数字。それが自分の魅力の一つだし、ファンの方も分かりやすい。“田中が投げるから”と球場に足を運んでもらえると思う」

 自身の直球は最速156キロ。「球威はまだまだ伸びると思っている」と自身のポテンシャルを疑っていない。160キロ、そして大谷と並ぶ165キロへ。来季、日本ハムとの対戦は開幕4カード目、4月11日からの3連戦が待つ。大谷の存在を「(同じ)世代だけじゃなくて、プロの世界ですら飛び抜けている。想像すらつかない」と評したが、そんな相手だからこそ闘志が湧く。相手は二刀流。160キロ超の直球で投げ合うだけでなく、「直接、対決するのは打者。その時は一生懸命投げたい。とにかく楽しみ」と打者・大谷との対戦も心待ちにしている。

 5球団の1位指名が競合した今ドラフトの目玉。憧れの存在には、ソフトバンクの先輩で、2度の沢村賞に輝いた斉藤和巳の名前を挙げた。マウンドで涙した06年の日本ハムとのプレーオフ(札幌ドーム)を映像で見たことがあり「凄く印象的だった。自分も相手を圧倒するような投手になりたい」。背番号は「25」で、電光掲示板の表示や球場内のコールなどはフルネームの「田中正義」となる見通しだ。

 「1年目から球団の日本一の力になれるよう、これから準備していく。全てが初体験。楽しみたい」。会見後には半紙に筆で「日本一」としたためて、「書き初めなんて小学生以来」と笑った。94年生まれの黄金世代。大谷との160キロオーバーのガチンコ対決で、球界の新たな時代を切り開いていく。(鈴木 勝巳)

 ≪メジャーでもまれ≫160キロ以上の速球を投げる先発投手の対決は、大リーグでもまれだ。昨年のワールドシリーズ第3戦では、メッツがその年最速101・4マイル(約163・3キロ)のシンダーガード、ロイヤルズが同100・6マイル(約162キロ)だったベンチュラが先発。「100マイル投手の対決はシリーズ史上初めてだろう」と米メディアの注目を集めた。実際には気温11度と寒さがきつく、両投手とも100マイル(約161キロ)超えの速球を投げることはなかった。

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