稼頭央 球団史上最大9000万円ダウン 19年ぶり1億円割れ

[ 2016年11月20日 05:30 ]

契約を更改し会見する松井稼

 楽天の松井稼頭央外野手(41)が19日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸1億6000万円から野球協約の減額制限(1億円超は40%)を超える56%減の7000万円でサインした。9000万円減は球団史上最大の下げ幅で、年俸が1億円を下回るのは西武時代の98年以来、19年ぶり。今季は56試合出場で打率・213に終わったベテランは背水のシーズンとなる来季に向けてレギュラー再奪取を誓った。

 突きつけられた厳しい現実。しかし、松井稼の顔はどこか晴れやかだった。9000万円減と球団史上最大の大幅減俸も納得して判を押した。

 「ダウンでしょ。ダウン、ダウン、ダウン、ダウン、ダウン…結果の世界。結果を残してないのでゴチャゴチャ言うつもりはない」

 3月25日のソフトバンク戦(コボスタ宮城)。「3番・中堅」と開幕スタメンで始まった今季だったが、直後に守備で右膝を痛めた影響で打撃不振に陥った。6月中旬からは約2カ月間、2軍暮らしも経験。「良い勉強をさせてもらった」と若手に交じり汗を流した。猛暑の中での連日のデーゲーム。「普段は乗ることがない」という体重計に乗ると、2、3キロ落ちていた時期もあった。

 8月に1軍昇格を果たしたが、起用は代打が中心。最終的には楽天移籍後最低となる出場56試合にとどまり、打率・213、2本塁打、13打点に終わった。不振の原因を問われたベテランは「実力です。技術がありませんでした」ときっぱり。故障も年齢も一切、言い訳にしなかった。

 今季も広島・黒田やロッテ・サブローら同世代が次々と引退。42歳となる来季は球界でも、中日・岩瀬、ロッテ・井口(ともに来季43歳シーズン)に次いで上から3番目の年長者となる。「どんどん若返っていく中、契約してもらえる。若い選手に負けないよう、自分のできることをやっていく」と貪欲。肉体の衰えは感じておらず「こういう結果だったので、逆に新たなことができる。体をいじめてみようと思う」と瞬発系のトレーニングメニューを取り入れ、松井稼の生命線でもある切れを取り戻す。

 現在、日米通算2683安打で、あと103本打てば、日本歴代3位の王貞治に並ぶ。「もう一回、レギュラーを獲る気持ちでやりたい。必要と言ってくれているチームに貢献できるよう勝てるよう頑張りたい」。来季は背水のシーズンとなることは自らが一番よく分かっている。(徳原 麗奈)

 ≪16年後藤超え≫松井稼(楽)の来季年俸は7000万円となり、今季の1億6000万円からは9000万円のダウン。楽天では09年礒部の5800万円(1億円→4200万円)、16年後藤の6000万円(1億5000万円→9000万円)を超える最高減俸になった。

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