“台湾のレジェンド”呂明賜氏 巨人ドラ7廖に日本攻略3カ条

[ 2016年11月20日 08:55 ]

廖任磊の活躍に期待する呂明賜氏

 台湾のレジェンドからの金言だ。巨人OBで、来日1年目の88年に鮮烈なデビューを飾った呂明賜(ルー・ミンスー)氏(52)が19日、ドラフト7位指名の廖任磊(リャオ・レンレイ)投手(23)へ日本で活躍するための「3カ条」を示した。廖任磊は20日に行われる「巨人OB選抜VS台湾OB選抜チャリティー試合」に駆けつけ、高橋由伸監督(41)と初対面する予定。将来の守護神候補が、背番号97の大先輩からのアドバイスを胸に、1年目からのブレークを狙う。

 「元祖アジアの大砲」が、2メートル1、125キロの台湾の星にかける期待は大きかった。台湾OB選抜として古巣との対戦を前に、52歳になった呂明賜氏は、これから巨人のユニホームに袖を通す廖任磊への思いを流ちょうな日本語で口にした。

 「若いし、アメリカにも行っているから、力はある。球に力もある。実力は十分、持っているからから大丈夫でしょう」

 28年前の88年。東京ドームに彗星(すいせい)のように現れたのが、呂明賜氏だった。来日初打席で初本塁打を放つと、デビューから9戦7発。重心が低く、独特の大きなフォロースルーで本塁打を量産し、一気にブレークした。自身と同じ背番号97を背負うことになった後輩へ、4年間在籍した経験を基に、日本での成功するための3条件を挙げた。

 1つ目は技術面での制球力。「スピード、威力、変化球はある。これでコントロールがあれば大丈夫」。最速156キロという最大の魅力に、制球力が加われば鬼に金棒だ。2つ目は生活面。ともに米が主食であることも例に挙げ「日本は台湾に似ている。住むこと、食べることは大丈夫でしょう。台湾と同じように生活すればいい」と、ありのままで過ごすべきとした。最後は日本式の練習へ慣れること。「日本は野球の環境もいい。若いからいろいろすぐに慣れるでしょう」と練習に慣れ、懸命に取り組むことの大切さを説いた。

 呂明賜氏も参加する20日のOB戦。廖任磊も姿を見せ、地元ファンの前で高橋監督から背番号97のユニホームを贈られる予定だ。「実力が大事」と呂明賜氏。四半世紀を越えて、再び背番号97が東京ドームで輝くことに思いをはせた。(台中・春川 英樹)

 ◆呂 明賜(ルー・ミンスー)1964年10月30日、台湾・高雄市生まれの52歳。華興高から文化大を経て、社会人の味全では4番として通算112本塁打。88年に巨人に入団し、同年6月14日のヤクルト戦(神宮)で史上24人目の初打席初本塁打。在籍4年間で113試合に出場し、打率・260、18本塁打、49打点。92年に台湾プロ野球の味全に移籍し、00年に現役引退。13年には台湾代表監督を務めた。1メートル78、86キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2016年11月20日のニュース