「絶滅危惧種」アンダースローの代表格 西武・牧田は来季のキーマン

[ 2016年10月26日 10:40 ]

アンダースローの代表格、西武の牧田
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 今年のドラフト会議で各球団から指名された前途有望な選手たちの顔ぶれに目を通して、気づいたことがある。「アンダースローの投手はいないな…」。プロ野球界でサブマリンは数えるほどしかいない。代表格の西武・牧田和久は、下手投げ投手を「絶滅危惧種」と表現する。8月のオールスターゲームに中継ぎ部門でファン投票で選出された際には「野球少年たちにアンダースローの魅力を知ってもらえれば。絶滅してほしくないので」と話していた。

 ロッテ担当時代に渡辺俊介(現新日鉄住金かずさマジック)を取材した。球速こそないが、地面すれすれの位置から繰り出される球の軌道。マウンドに上がるたびに見ていてワクワク感があった。幸いなことに、今年から担当している西武でも貴重なサブマリンを取材する機会に恵まれている。「アンダースローって難しいんですよ。下半身の強さがかなり求められますしね。速球派みたいに“何キロ出した”とか“何奪三振”みたいな派手な基準はないんですけど、だからこそ、とにかく打者を打ち取るという結果が求められるんです」と牧田は力説する。

 今季は50試合に登板し、7勝1敗、防御率1・60という成績を残した。開幕カードの3月26日のオリックス戦(西武プリンス)では6イニングのロングリリーフで勝利投手に。中継ぎ陣が不足していたこともって場面や投球回も問わずにフル回転。牧田に救われた試合がいくつもあった。チームは3年連続Bクラスに終わったが、その貢献度は大いに称賛されるべきだ。

 チームの立て直しを託された辻新監督は、牧田にとって日本通運の大先輩だ。先発も中継ぎもこなすサブマリンの起用法にも注目したい。本人は「どこでもやりますよ。どこで投げても結局はやることは変わりませんから。とにかく打者を打ち取るだけです」。来季も牧田が投手陣のキーマンであることは間違いなさそうだ。(記者コラム・重光 晋太郎)

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2016年10月26日のニュース