ハム西川、大谷勝負引き出す盗塁 栗山監督「絶好のタイミング」

[ 2016年10月26日 05:40 ]

SMBC日本シリーズ第3戦 ( 2016年10月25日    札幌D )

<日・広>10回2死一塁、二盗を決める西川。遊撃手・田中
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 打てなくても勝機を生み出せるのが今季の日本ハム打線の特長だ。その象徴が西川であり、中島だ。大谷の右前打でサヨナラのホームを踏んだのは西川。延長10回1死から四球で出塁すると2死から二盗を成功させた。

 「若いカウントで走ったら翔平が歩かされる可能性もある。結果論だけど、あれがボールだったら歩かされたかもしれない。でも、走るなら平行カウントからだと思っていた」

 打席に大谷がいた状況で一塁走者・西川は1ボール1ストライクからの3球目にスタートを切った。大谷も「走っているのが見えた」と空振りして盗塁を助けた。結果的にこのワンプレーが勝敗を大きく分けた。

 14年盗塁王で今季も41盗塁をマークした西川には、いつでも自由に走れる「グリーンライト」のサインが出されている。しかし、大谷は8回2死二塁で敬遠気味の四球で歩かされていた。栗山監督も「あそこは歩かされる打者をいかに(可能性を)少なくするか。遥輝が絶好のタイミングで走ってくれた」と振り返る。広島バッテリーが誰よりも警戒していた大谷だったが、有利なカウントになったことで勝負することになった。

 8回の一時逆転は先頭・中島の四球がきっかけだ。わずか2球で追い込まれたが「とにかく粘って塁に出たかった」と、150キロを超えるジャクソンの剛速球と鋭いスライダーをギリギリまで引きつけて三塁方向へファウルを狙った。そして10球目を選んで出塁。中田の逆転二塁打をお膳立てした。打つだけが攻撃ではない。「9回で勝てるのが一番だが、サヨナラで勝てば勢いはつく。こういうきっかけもあった方がいい」。大きな1勝。西川はここからの逆襲を誓った。(横市 勇)

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2016年10月26日のニュース