【石井一久の大分析 リード編】黒田 内角突いてリスク回避 有原は…

[ 2016年10月26日 09:20 ]

SMBC日本シリーズ第3戦 ( 2016年10月25日    札幌D )

<日・広>初回1死二、三塁、2球連続で内角にツーシームを投げ、中田を遊ゴロに仕留める黒田
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 今の野球は、内角球をどう使うかにある。「困ったら外角に」という考え方ではなく、リスクを減らすために内角へ投じるという考え方だ。広島の黒田の投球と、石原のリードにはその意思を強く感じることができた。

 初回。黒田は1死二、三塁のピンチで中田に対して初球、2球目ともに内角ツーシームを選択した。1球目は真ん中高めに浮いたが、2球目は厳しい内角球で遊ゴロ。最少失点で切り抜けた。優先順位は最も打たれない球種、コース選択を行うこと。1打席目に内角を突ききったことで、2打席目の4回無死二塁では3球連続で外角球を選択。最後はスライダーで二飛に抑えた。高低、内外角を迷わず突く中で、1打席目の打ち取り方を2打席目につなげる。その結果として、黒田は内外角のストライクゾーンを広げることに成功した。中盤ではスプリットの縦の変化も効果的に交えた。試合終盤に向かうにしたがって、打ち取る選択肢が増えていく。日本ハムの各打者は、黒田に対して、コースへの対応に追われて球種まで頭に描けていなかったことでスイングにどこか迷いがあった。

 一方、有原は2回1死一塁でエルドレッドに対し、7球全て外角球を選択。右越え2ランされた球は甘かったが、あそこまで踏み込まれたのはコースに対してエルドレッドに迷いがなかったからだ。日本ハムバッテリーは内角球の使い方を再確認すべきだろう。(スポニチ本紙評論家)

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