高山 初回エラーで好調バットに異変 金本監督「引きずっていた」

[ 2016年8月28日 06:36 ]

<神・ヤ>初回無死一塁、三輪の左前打を高山が後逸し、打球を追いかける

セ・リーグ 阪神2―5ヤクルト

(8月27日 甲子園)
 阪神は27日、ヤクルト戦(甲子園)に敗れて2連敗で5位に転落した。借金は再び「10」に逆戻りし、3位・DeNAとは2・5差。金本知憲監督(48)は初回に失点につながる失策を犯した高山俊外野手(23)へ向けて「一つの経験を大事にしてほしい」と説き、時には失敗とも向き合うレギュラーとしての心構えを求めた。甲子園球場では7月31日を最後に白星がなく、28日は8月最後の本拠地戦。夏休み最後の日曜日に勝利を届けたい。

 試合開始直後のミスが敗因になった。初回無死一塁から三輪の左前打。三遊間を抜けた緩いゴロ安打の処理を高山が誤った。スタートを切っていた一塁走者の動きを意識しすぎて後逸。一、二塁で止まったはずの窮地を二、三塁へ広げ、内野ゴロ2つで2点を奪われた。金本監督が苦言を向けたのは、失策そのものではない。先の横浜遠征から好調だった打撃を狂わせた心理的な原因を指摘した。

 「打席で引きずってしまった。打撃にもろに出ていたから。取り返そうとして力んでたのか…。ああいうところを、しっかりしないといけない」

 初回1死一塁で迎えた1打席目から“異変”は顕著だった。石川の初球スライダーを打ち損じて平凡な左飛。最大の好機だった3回1死一、二塁での第2打席は初球のスライダーを見逃し、2球目も同じスライダーに浅い右飛に倒れた。6回の第3打席は空振り三振。8回の第4打席も投ゴロで見せ場なく終わり、高山は言葉を絞り出した。

 「引きずらないようにしていたんですが…。その後の打席でもうまくいかなかった。本当に悔しかったです」

 20日の巨人戦(東京ドーム)から3番として出場。前日26日のヤクルト戦(甲子園)まで4試合連続安打に加えて3試合連続で打点をたたき出していた。最近5試合は19打数9安打で打率・474、9打点と大爆発。堂々の中軸として打線を引っ張ってきた。それほどの猛打を一つの失策で崩していては長いプロ人生は戦えない。

 レギュラーとして常にフル出場するならミスとは背中合わせ。挽回の術を身に付けることは欠かせない。「次、同じようなことがあったときに、どうするか。取り返すという気持ちを持ちながら力み過ぎないようにやっていくという。一つの経験を大事にしてほしい」。苦い経験をバネに成長を願う親心だった。

 長期ロード明けの連敗で5位へ転落。8月3試合しかない本拠地戦は2試合を終えて白星がなく、金本監督は号令を出した。「明日は夏休み最後。甲子園に来てくれるファンを勝って喜ばせてあげる。全員がそうやって思うこと」。3位・DeNAからは2・5差へ後退し、残り22試合。「秋は寂しい戦いにならないようね」。9月に希望をつなぐためにも一戦必勝の日々が続く。高山の雪辱にも期待を膨らませ、夏休み最後の日曜日に挑む。 (山本 浩之)

 ▼阪神・中村外野守備走塁コーチ(初回の高山の失策に)目切りが早いよね。捕ったと思って投げる体勢に入ってたでしょ。ボールはそんなに軽くないよ、と。1球の重みを知ったんじゃないかな。バッテリーの2人には申し訳ないことをした。

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