新井さ~ん 衣笠超え10本目満弾でM14 51年ぶり延長回7点

[ 2016年8月28日 06:13 ]

<中・広>延長10回2死、新井が満塁本塁打を放つ

セ・リーグ 広島11―4中日

(8月27日 ナゴヤD)
 半世紀ぶりの猛攻で、四半世紀ぶりの優勝へまた歩を進めた。スコアボードに刻まれた、まばゆいばかりの「7」の数字。広島打線が4―4の延長10回に大爆発した。

 球団では1965年以来51年ぶりとなる、延長回の1イニング7得点。4連勝と2位・巨人の4連敗が重なって、優勝へのマジックナンバーは2ずつ減る。初点灯から3試合連続の減少は球団史上初で、早くも「14」となった。

 2死満塁。菊池が扉を開いた。カウント2―2からの5球目、祖父江の外角スライダーを捉えた中前打。「皆がつないでくれたチャンス。感触は覚えていないけど、うれしかった」。頼もしすぎる2試合連続の決勝打。25日の巨人戦(東京ドーム)でも1点を追う9回に沢村から同点打を放ち、逆転勝利を呼んだ。シーズン佳境で発揮される集中力。リーグ最多158安打はダテじゃない。

 それにしても、2死走者なしから、すさまじい猛攻だ。石原が遊撃内野安打で出塁し、代打・松山は8球粘って四球を選ぶ。田中が左前打でつなぐと、流れはもうカープのものだった。菊池に続き、丸の押し出し四球で2点目。直後に新井の一発が飛び出した。

 「こういう場面をつくってくれた皆に感謝。2死から7点かな?凄いですよ」。初球の内寄りスライダーを強振した。左翼最前列への16号は、昨年8月13日のヤクルト戦(マツダ)以来、通算10本目のグランドスラム。広島では8本目で、あの「鉄人」衣笠祥雄の上に出た。リーグトップの打点も91に伸ばし、大台を視界に捉えた。

 緒方監督が思わずうなる。「見ての通り。2死走者なしから、いい攻撃をしてくれた。異常な、と言ったら語弊があるけど、野手が凄い集中力を見せてくれた」

 51年前の65年は巨人のV9初年度で、広島はセ・リーグの波間をただよう5位だった。エースとして75年初優勝に導く外木場義郎がプロ初勝利をノーヒットノーランで飾った年。2016年、新たな歴史を紡ぎながら25年ぶりの悲願へと突き進む。 

 ≪51年ぶり≫広島が延長10回に7得点。延長回の1イニング7得点以上は3月27日ソフトバンクが楽天戦で0―0の10回に7得点して以来今季2度目。広島では65年10月20日巨人戦で1―1の10回に7得点し8―3で勝って以来51年ぶり。

 ≪衣笠、緒方を抜き単独2位≫新井が今季初、通算10本目の満塁本塁打。満塁本塁打を通算10本以上は18人目、セ7人目。広島では8本目で山本浩の11本に次ぎ、衣笠、緒方を抜き単独2位。また広島で延長回の満塁本塁打は97年江藤、04年緒方、08年シーボルに次ぎ4人目。

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