陽 中田の代役4番でV打 ハム6連勝「翔平が4番だと思っていた」

[ 2016年6月29日 05:30 ]

<日・西>お立ち台で笑顔の陽

パ・リーグ 日本ハム3―0西武

(6月28日 札幌D)
 半信半疑だったが、覚悟を決めた。日本ハム・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)は燃えていた。初回2死三塁でポーリーノから左前に先制打を放った。中田不在の緊急事態。代役4番で放ったこの一打が決勝点になった。

 「4番でも気持ちを変えたら駄目。スタイルを崩さないように、積極的に打つことを心掛けた」

 前夜の試合で腰の張りを訴え、途中交代した中田が今季初めてスタメンを外れた。陽岱鋼が「ビックリした」と振り返ったのは、試合前のフリー打撃後のことだった。ロッカールームのホワイトボードに掲示されたスタメン表の3番に「11」、4番に「1」が記されていた。「11と1が並んでいて、自分が“3番・DH”かと思った」。自身の背番号「1」ではなく、大谷の「11」が4番だとはなから決めつけ、錯覚を起こしたのだ。

 「翔平が4番だと思っていた。彼が4番を打ってもおかしくないでしょ」。陽岱鋼は首をひねり続け、「意味が分からない」と照れ笑いだが、4番は昨年8月29、30日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来。一昨年も2試合で4番を務めたが、いずれも故障で先発を外れた中田の代役だった。1―0の3回1死一塁でも右前打を放ち、貴重な追加点につなげた。

 中田の助言も生かした。試合直前に「4番打者への配球」について尋ねると「(先発が)外国人の投手だから特に内角を攻めてくる」。この日の2安打はいずれも内角攻めに耐え、最後に外角球を仕留めた。「その通りだったね」と感謝した。6試合連続安打。自己最多タイの6試合連続打点で、チームを今季最多の6連勝に導いた。背番号6の中田の穴を埋める活躍を見せ、栗山監督も「翔が駄目だったら(4番・陽岱鋼で)迷いはなかった。素晴らしい集中力だった」と絶賛した。

 貯金も今季最多の9。29日の同戦でも中田の状態次第では再び4番を務める可能性が高い。陽岱鋼は好調の要因を「知るか!」と笑い飛ばしたが、勢いに乗ったら手が付けられない。 (柳原 直之)

続きを表示

この記事のフォト

2016年6月29日のニュース