阪神メッセ 6回以外は完璧 ヒヤヒヤ3失点も奮闘10K7勝

[ 2016年6月29日 08:20 ]

<神・D>6回、帽子のつばにたまった雨を、首を振って飛ばすメッセンジャー

セ・リーグ 阪神5―3DeNA

(6月28日 甲子園)
 必勝を期したマウンドできっちりと仕事を果たした。先発した阪神・メッセンジャーが、立ち上がりから鬼気迫る投球で、DeNA打線に立ち向かい7回10奪三振3失点の力投。チームの連敗ストップの立役者となった。

 「やっぱりマウンドに上がれば、勝ちたい思いは強いからね。今日は特にチームとして厳しい戦いが続いていて、何とか勝ちが付くようなピッチングができたと思う」

 快挙すら予感させた。初回から150キロ台の直球に、得意のカーブ、落差のあるフォークと全球種が冴え渡り、5回まで完全投球を披露。打線も4回までに早々と4得点するなど、後押しした。

 試合途中で降り出した雨のごとく、雲行きが怪しくなったのは6回。先頭のエリアンに四球を献上して初走者を背負うと、歯車が狂った。代打・戸柱に初安打となる中前打を浴び、代打・山下には右前適時打。さらに、無死一、三塁から桑原の投手強襲打で一塁方向に転がったボールをグラブトスしたものの、ゴメスの頭上を越える悪送球となって、2者生還を許して1点差とされた。

 石川にも右前に運ばれて無死一、三塁で中軸を迎える絶体絶命の危機。心を落ち着けた。

 「走者のことは考えず、バッターに集中した。打線が4点取ってくれたので、絶対にリードを守る意識で投げた」

 序盤の快投を再現するように、梶谷を三邪飛、筒香を直球で空振り三振、最後は宮崎を三ゴロに退けた。

 こだわりは「足元」にある。長年、試合では通常のハイカットよりも履口の更に長いバスケット選手が使うような型のスパイクを着用している。「このタイプの方が、投げている中でフォームは安定するんだよ」。“相棒”のおかげで、雨でぬかるむマウンドも関係なく、力強いフォームで113球を投げ抜いた。

 6月11日の日本ハム戦(札幌ドーム)でも7回無失点でチームの連敗を5でストップ。頼れる男が再び、窮地を救った。のしかかる重圧をはねのけ、エースたるゆえんを示した。 (遠藤 礼)

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2016年6月29日のニュース