2年ぶり完封の山口「野球が楽しくなった」 転機になったラミ監督の言葉

[ 2016年6月6日 05:30 ]

<D・ロ>3安打完封で4勝目を挙げたDeNA先発・山口

交流戦 DeNA11―0ロッテ

(6月5日 横浜)
 最後まで球威があった。9回2死一塁、フルカウントからの134球目。DeNA・山口が投じた148キロの高め直球に清田のバットは空を切った。10個目の三振。右手でガッツポーズして吠えた。14年9月30日阪神戦(甲子園)以来、自身2年ぶり3度目となる完封勝利だ。

 「チョー気持ちいい!!ここ最近の勝ちは打線に助けてもらっていた。今日も大量点を取ってくれて大胆にいくことができた。完投してなんぼだと思っていた」

 隙がなかった。「低めに集めることができて、全ての球種で勝負することができた」。最速151キロの直球を軸にスライダー、フォークなどの変化球を低めに決めた。4者連続を含む今季2度目の2桁奪三振。「最後の四球が余計だった」と9回2死から鈴木に唯一の四球を与えたことを反省したが、散発3安打で三塁すら踏ませなかった。

 先発転向2年目だった昨季はわずか3勝に終わった。「ふがいなくて野球が嫌になった」。転機が訪れたのは昨年11月の秋季キャンプ。就任間もないラミレス監督から「山口は能力がある。投手陣の柱としてチームを引っ張ってくれ」と声を掛けられ、「野球が楽しくなった」と振り返る。

 昨年はグラウンドの外では野球の話題を避けていたが、現在のマイブームは野球ゲームの「パワプロ」。「このコースに投げたら打たれるんだから、実際の人間だったらって考えたりして…。意外にヒントになるんですよ」と笑う。移動中や自宅でもゲームで野球漬けだ。「僕の場合はフィジカルよりもメンタルが大事」。精神面の充実が、前年を上回る4勝目につながった。

 エースの完封勝利でチームも昨季の交流戦3勝を上回る4勝目。今季初の同一カード3連勝で、最大借金11から3月25日の開幕の広島戦以来となる貯金1を手にした。ラミレス監督は「アメージングな気持ちだよ!」と声を弾ませた。選手会長も務める山口は「今年は借金11から始まったのでみんな上だけ向いてきた。それが今につながっている」と胸を張り、さらに上を見据えた。 (中村 文香)

 ▼ロッテ・角中 (山口は)カーブがスラーブ気味で良かった。去年とは違うのかなという印象。

 ≪交流戦での3連戦3連勝は10年ぶり≫DeNAがロッテに3連勝。チームの同一カード3連戦3連勝は昨年7月13~15日巨人戦以来。ラミレス監督になってからは初めてだ。また、交流戦での3連戦3連勝は06年6月9~10、12日オリックス戦以来10年ぶりになる。昨年は交流戦で3勝14敗1分けと大きく負け越し。今季は交流戦全日程の3分の1を消化した6試合時点で4勝2敗とし、早くも昨年の勝利数を上回った。

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