ロッテ・チェン 苦節5年1勝「人生最高の日。6月10日は記念日」

[ 2015年6月11日 05:30 ]

<ロ・中>来日初勝利のチェン(左)は伊東監督に祝福される

交流戦 ロッテ3-2中日

(6月10日 QVC)
 うれしさと緊張が入り交じった人生初のお立ち台の第一声は、ロッテで覚えたダジャレだった。インタビュアーの「きょうは疲れました?」との問いに「チェンチェン(全然)ダイジョウブ!」。来日5年目でやっと手にしたプロ初勝利のウイニングボールをしっかりと握りしめ「人生最高の日。6月10日は記念日です」と目を潤ませた。

 テンポよく低めに球を集めた。「僕は三振を取る投手じゃない」。直球の最速は142キロながら得意のシュートと、西武の元エースで台湾の英雄でもある郭泰源(カク・タイゲン)氏から伝授されたフォークでゴロの山を築いた。3回に1点を失ったが、6回0/3を5安打1失点。伊東監督も「球の切れもテンポもよかった。内容的には100点でしょ」と絶賛した。

 昨季限りでDeNAを戦力外となり、昨秋の入団テストを経てロッテ入りした。「テストが駄目なら台湾に帰るつもりだった。ロッテに恩返ししたい」。開幕ローテーションに抜てきされたが、3試合で0勝2敗(防御率8・38)と結果が出せず2軍降格。9日に台湾の両親から電話で受けた「加油(頑張れ)!」との激励を胸に1軍復帰戦のマウンドに上がった。

 元中日でオリオールズで活躍する左腕・チェンが憧れの存在だ。「僕のスーパースターなんです」。台湾国立体育大の先輩で、初勝利が同じ5年目というのも不思議な縁を感じている。「5年は凄く長かった。これからステップアップしていきたい」。時間がかかった分だけ、喜びも大きかった。

 ◆チェン(陳冠宇=チェン・グァンユウ)1990年10月29日生まれ、台湾出身の24歳。穀保家商高から台湾国立体育大に進学。11年2月に横浜(現DeNA)に入団するも、左肘の故障で12年1月に育成選手として再契約。14年7月11日に支配下登録され、同16日の広島戦で1軍初登板。昨季限りでDeNAを戦力外となり、ロッテにテスト入団。大学には現在も在籍中。球種は直球、シュート、カーブ、チェンジアップ、フォーク。1メートル79、75キロ。左投げ左打ち。

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