ハム近藤V弾 “幻の同期”菅野撃ち 11年ドラフトの不思議な縁

[ 2015年6月11日 05:30 ]

<日・巨>2回、2ランを放った近藤はハイタッチ。左は大谷

交流戦 日本ハム3-0巨人

(6月10日 札幌D)
 日本ハムは10日、3―0で巨人を下し、この日敗れた首位のソフトバンクにゲーム差なしと肉薄した。2回1死二塁から近藤健介捕手(21)が右中間へ決勝2ラン。11年ドラフトで同じ日本ハムから指名され、入団を拒否した「幻の同期」の菅野智之投手(25)を打ち砕いた。一方のセ・リーグも巨人、DeNAがもたつき、阪神とヤクルトの追い上げで首位から4位まで2・5ゲーム差と再び混戦となってきた。

 札幌ドームのファンは待っていた。3点リードの9回2死一、二塁。ファウルゾーンへの飛球を追いかけ、バックネットで右膝を強打し負傷交代した。ベンチに引っ込んでいた殊勲の21歳がお立ち台に上がるため再びグラウンドに現れると、大歓声が湧き上がった。

 近藤は「翔平が好走塁で二塁に行ってくれた。ちょっと(打球が)上がり過ぎかなとは思ったけど、思ったより飛んでくれた」と流れを引き寄せた一打に感謝しながら話した。2回1死。大谷が菅野から左中間へ痛烈な打球を運ぶと「(中堅手からの)送球間でいけると思った」と一気に二塁を陥れた。相手の隙を突いた走塁。いつもは「投手・大谷」の女房役を務める近藤が、この流れに乗る。内角のカットボールを強振。芯で捉えた打球はぐんぐん伸び、右中間席へ豪快に突き刺さった。先制2号2ランが決勝点になった。

 「投手・大谷」の開幕からの連勝は7でストップしたが、そのうち5勝を支えたのが近藤だ。大谷が1メートル93、近藤が1メートル73で実に20センチ差の「凸凹コンビ」はキャンプから食事に出掛けては配球について議論を交わすなど、互いの信頼は厚い。栗山監督も「(近藤は)素晴らしい。翔平は凄いよね、あの走塁」と褒めちぎった。

 近藤は11年ドラフト4位で入団した21歳。くしくも、この日の相手は同年日本ハムに1位指名されるも、入団拒否した菅野。「幻の同期」が相手だった。翌年には最初は入団拒否の姿勢だった大谷が熟慮を重ね、ドラフト1位で入団。そんな2人が菅野を打ち砕いたのも不思議な縁だった。

 幸い近藤は右膝の打撲で軽傷。指揮官も「胃がくっつきそうな痛さだったよ」と安どの表情を浮かべた。チームは2連勝で貯金は今季最多に並ぶ12。首位・ソフトバンクまでゲーム差なしだ。近藤は打率・327でリーグ5位まで上昇し、大谷は4月22日の西武戦(西武プリンスドーム)以来のマルチ安打で打撃復調の兆しを見せた。「あんまりやらない(対戦しない)投手なので初球から積極的にいこうと思っている」と大谷。2人そろって41歳の若さがチームにさらに勢いを与えている。

 ≪菅野から勝利打点となる本塁打は5人目≫近藤(日)が初対戦の菅野(巨)から決勝2ラン。今季の勝利打点は5個目で、中田に並ぶチームトップになった。また、決勝弾は昨年5月29日のヤクルト戦以来自身2本目だ。なお、菅野から勝利打点となる本塁打は(試は対戦試合数)
年 打者名 (所属)月 日  試
13バレンティン(ヤ) 4・27(2)
13森 野 (中) 8・18(3)
14李大浩 (ソ) 6・21(2)
14後 藤 (D) 7・9 (2)
15近 藤 (日) 6・10(1)
 と5人目だが、初対戦初打席でいきなりは近藤が初めて。

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