藤浪 4失点も辛抱4勝!チームは水曜日7連勝で首位巨人に1・5差

[ 2015年6月11日 05:30 ]

<ソ・神>6回2死一、二塁、松田を三振に仕留めて雄叫びを上げる藤浪

交流戦 阪神5-4ソフトバンク

(6月10日 ヤフオクD)
 若きエースの粘りが強力打線の破壊力を上回った。10日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に先発した阪神・藤浪晋太郎投手(21)が7回5安打4失点で4勝目。ソフトバンクの連勝を6で止め同戦初勝利を挙げるとともに昨年の日本シリーズのリベンジも果たした。チームは再び貯金1で首位・巨人に1.5ゲーム差に接近。最大7差から迫ったこの勢いで12日にも奪首だ!

 苦しみ抜いた113球だった。柳田、内川、李大浩(イ・デホ)、松田…。強打者が並ぶソフトバンク打線の重圧は、並々ならぬものがあった。「内容は情けない。自分がヒーローになるのは恥ずかしい内容でした」。敵地のヒーローインタビューが、その苦闘を物語った。

 「簡単に一発を打ってくるチームなので、気を使いました。なかなか、1球で仕留めることができませんでした。さすがだと思いました」

 難敵だった。1点リードの2回には、自信の外角低め151キロ直球を李大浩に右中間席へ運ばれた。4点リードの5回には自慢のカットボールをとらえられ、松田に左越えソロを被弾。今宮にも左中間フェンス直撃の適時二塁打を浴びた。7回2死三塁では中村晃に中前適時打を打たれ、1点差にまで迫られた。

 「内容には納得していません。味方が5点取ってくれたからよかったですが、完投しないといけませんでした」

 7回5安打4失点。試合後には、次々と反省の弁を絞り出した。とはいえ12球団随一の強力打線相手に粘投し、勝った。ソフトバンク戦初勝利で5回2/3を3失点で敗れた昨年10月28日の日本シリーズ第3戦のリベンジも果たした。プロは「結果」の世界。「野手の皆さんに感謝したい」と話したが、その援護も藤浪の粘投あればこそだ。

 アマチュア時代から持ち続ける勝利への執念。今季それを顕著に物語るのが「バット」だ。オーバースロー転向などマウンドでの“装い”を新たにした3年目。実は打撃でも「新相棒」を導入した。昨季まで使用したバットを、開幕直前にモデルチェンジ。契約するゼット社と相談し、グリップエンドの形状を少年時代から使い慣れている金属バットの形に変えた。同時に、カラーも黒とグレーのツートンに変更。ここまでバットにこだわる投手も珍しい。この日は指名打者制のため打棒を振るうことはできなかったが、担当者に「いい感じです。ヘッドの重みを感じます」と手応えを口にする新相棒で今季すでに2打点。投げるだけではない。打撃への意識も人一倍。勝ちたいからだ。それが藤浪だ。

 首位・巨人と1・5ゲーム差。1差だった4月6日以来の最接近となった。「首位を目指して頑張っていきたい」。残り84試合。本当の戦いは、これからだ。

 ≪水曜日は7連勝中≫阪神は水曜日の試合を4月29日のヤクルト戦から目下7連勝中。今季11試合で8勝3敗の勝率・727は、木曜日の勝率・750(6勝2敗)に次ぐ強さ。木曜日も目下6連勝中で、チームは木曜日に試合のなかった5月6、7日の週を除く5週連続で水、木曜日の連勝を続けている。

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