広島 5戦50失点で陥落…野村監督「首位どうこうじゃ」

[ 2014年6月9日 05:30 ]

<広・オ>2回、ペーニャ(右)に左前打を許すバリントン

交流戦 広島1―8オリックス

(6月8日 マツダ)
 ついに陥落だ。広島は8日のオリックス戦(マツダ)に大敗し、今季ワーストの5連敗。2位・巨人が勝ったため、4月11日から守り続けた首位の座を59日ぶりに明け渡した。先発陣が軒並み崩れる中、この日もバリントンが5回途中9安打6失点KO。ここ5戦で50失点の惨状では、打線の反撃も焼け石に水だ。野村監督は「まず1つ勝つこと」と苦悩をにじませた。

 先発陣の崩壊に歯止めがかからない。篠田、前田健、九里、大瀬良に続いて、この日はバリントン。リーグトップの7勝をマークし、安定した投球で交流戦2戦2勝だった優良助っ人でさえも、負の流れを止めることはできなかった。右腕は悔しげに振り返った。

 「今週は先発陣の内容がよくない中で、悪い流れを何とか止めたいと思っていたけど、うまくいかなかった…」

 2者連続空振り三振で立ち上がった初回、一発被弾から空気が変わる。3番・ヘルマンに浴びた先制弾。内角へ直球を4球続け、カウント2―1からの140キロを左越えへ運ばれた。以降の配球は変化球の比率が極端に増え、垂れ込め始めた暗雲は広がり続けた。

 2回、1死から連打と二盗で二、三塁とされ、打率1割台の9番・山崎勝に前進守備を敷く遊撃手・木村の右を抜かれると、続く3回には1死二塁から糸井に右越え2ランを浴びた。いずれも甘いチェンジアップ。バリントンはうなだれる。

 「調子はよかった。ただ2本の本塁打が痛かった。早い回から失点してビハインド(追う展開)になり、皆にプレッシャーをかけてしまった」

 序盤3回で5失点。前述した先発4人と違い、大量失点のビックイニングこそつくらなかったものの、立ち上がりから小刻みに失点を重ねてしまっては、5連敗は免れない。助っ人は6点目を失った5回途中で、マウンドから姿を消した。

 「先発がまた? いつものパターンというか、それが乗り切れない一因だね…」。野村監督は思わずため息だ。本拠地で立て直すはずが、逆にドロ沼にはまり込み、交流戦はこれで4勝11敗。4月10日以来の2位転落には、語調を強め、ナインに奮起を求めた。

 「今の野球をやっていたら、首位どうこうじゃない。自分たちの野球をしっかりやっていけるように、まずは1つ勝つこと。先発にはまず試合をつくってもらわないと」

 連敗が続くここ5戦の失点は実に50。このうち先発陣は35点を失った。強固との定評を得た布陣はどこへ行ったのか。再浮上へ、どん底からの逆襲が見たい。

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2014年6月9日のニュース