グリエル“衝撃”3安打デビュー!DeNA交流戦2位タイ

[ 2014年6月9日 05:30 ]

<D・楽>グリエル(右)と握手を交わすDeNA・中畑監督

交流戦 DeNA5―1楽天

(6月8日 横浜)
 「キューバの至宝」と呼ばれる強打者で、DeNAに新加入したユリエスキ・グリエル内野手(30)が8日、楽天戦でデビュー。3回の第2打席で左前に来日初安打を放つなど3安打の猛打賞デビューを果たした。グリエルの安打がチームに流れを引き寄せ、筒香嘉智外野手(22)の8号2ランなどで5―1と快勝。交流戦2位タイに浮上した。

 打っても、走っても、そして守っても、全てが新鮮でスピーディーだった。雨で2日延びたデビュー戦で猛打賞。お立ち台で愛称「ユーリ」の大声援に応えたグリエルは、「初めての国外でのプレーで重圧もあった。良いプレーができて満足している」と穏やかな笑みを浮かべた。

 1点を追う3回2死。09年WBC・オーストラリア戦で対戦(3打席無安打)したブラックリーから来日初安打を左前に運んだ。続くブランコの打球は右中間を破る二塁打。グリエルは一塁から両腕を前後に振りながら、猛スピードで三塁を回った。同点の本塁生還。この激走が筒香の勝ち越し2ランを呼び、5回にも左翼線二塁打で追加点のお膳立てだ。7回も宮川の内角をえぐる140キロシュートに差し込まれたように見えたが強烈なトップスピンがかかった打球が中前に抜け、「強いスイングができた」と満足そうだった。

 守備でも魅せた。5回の2度の守備機会では、一塁へ矢のような速さの送球にスタンドがどよめいた。走攻守の大活躍に、中畑監督も「何か持っている選手だね。大合格点。彼の動きそのものでムードが変わった」と絶賛した。

 初の海外生活でも自己流を貫く。4日のイースタン・リーグ、西武戦(西武第2)では、試合前の守備練習を拒否した。「試合でベストの力を出すための調整。キューバでもそうしてきた」。1軍に合流後も守備練習は軽い動きに終始し、指揮官も「あれだけ練習やっていないのにというのが素直な実感」と苦笑いを浮かべた。複数のバットから、この日は09年のWBCでアスレチックス傘下2A・中島から譲り受けたアディダス製のバットを使用。母国のリーグ戦は4月で終わり、実戦から2カ月離れた試合勘が懸念されたが最高の結果で応えた。

 「今の状態は85%だけど2、3日したら100%になる」。球場を後にしたのは選手の中で最も遅い午後7時半。ファンに笑顔でサインする姿に救世主のオーラが漂っていた。

 ▼DeNA・筒香(3回にバックスクリーンへ逆転の8号2ランを放つなど2安打3打点)交流戦に入って貢献できなかった。交流戦優勝できるように頑張ります。

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