バットに対するこだわり 落合は誤差0・2ミリに気付く

[ 2014年1月24日 06:40 ]

引退試合でバットを見つめる広島の前田智

シーズンオフのこの時期、選手にとっては「新たなバット」との出会いの季節でもある。太さや重さをミリ単位、グラム単位で調整し、来るべきシーズンに備えている。一流選手ほど、バット選びや管理方法にはこだわりがあるものだ。

 ある年のシーズン終了後、2本のバットを持って職人のもとを訪ね、「ひとつのバットのグリップが細い」と訴える落合博満の姿があった。そんなハズはない、とバット職人が調べたところ、なんと片方のバットが0・2ミリだけ細かったという。また、昨季限りで引退した前田智徳は、ミート時の感覚にこだわるあまり、メーカーロゴの位置をミリ単位で変更させている。

 イチローが専用のバットケースを作って湿度管理まで徹底しているのは有名だが、過去にはユニークな管理方法を取る選手もいた。それが「物干し竿」と呼ばれる長いバット(37インチ)を操った、初代ミスタータイガース・藤村富美男。「バットはアンモニアの臭いを染みこませながら乾燥して使うのが良い」と教わり、自宅のトイレに天井からバットをズラリとぶら下げていたという。

 物干し竿、とまではいかないが、今シーズン、従来よりも0・75インチ(約1・9センチ)長い、34・5インチのバットで復活を期すのが、阪神タイガースの新井貴浩だ。このバットは、上述した落合博満が現役時代に使用していたモデル。ミートは難しいが、バットが長くなる分だけ、飛距離が伸びる特徴がある。

 「統一球」に揺れた2013年だったが、今年はボール以上に「バット」にも注目してはいかがだろうか。(スマホマガジン『週刊野球太郎』編集部)

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