東陵にうれしい便り「甲子園に行くことが復興につながってほしい」

[ 2014年1月24日 18:32 ]

第86回選抜高校野球大会出場校発表

 東日本大震災の爪痕が残る海沿いの町に、うれしい便りが届いた。宮城県気仙沼市の高校が震災後、初めて甲子園大会に出場する。東陵高の選手たちは涙を流して抱き合い、帽子を飛ばして喜んだ。

 校舎やグラウンドは高台にあり無事だったが、水産都市は津波と火災に見舞われた。沿岸部には今も空き地が目立つ。被害の大きかった鹿折地区の中学校に通っていた伊藤匠哉選手(17)は自宅が全壊した。野球をやめようと思ったが、友人の「野球ばかから野球を取ったら、ただのばかだ」という言葉に励まされた。「甲子園に行くことが復興につながってほしい」と力強く話した。

 1988年夏に初出場した時のメンバーだった千葉亮輔監督(42)は「今の選手は震災が起きた後に気仙沼の高校を選んだ。覚悟や思いは強いと思う」と話した。そんな選手たちが昨秋の東北大会で準優勝し、「聖地」への切符をつかんだ。山崎誠悟主将(17)は「応援してくれる人に感謝しながら、勝ち進んでいきたい」と、26年ぶりの甲子園での初勝利を誓った。

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2014年1月24日のニュース